【時差は時針だけ動かします】ロレックスGMTマスターIIの使い方|止まったときの合わせ方とベゼルの回し方

GMTマスターIIは、リューズの使い方がほかのロレックスと少し違います。1段引き出したときに動くのが、分針ではなく時針なんです。自分は2本目にGMTマスターII 126711CHNR(カフェオレ)を2025年1月に買いましたが、1本目のサブマリーナー デイト 126610LVとは、同じ「1段目」でも動くものが違います。
この記事は、ロレックス公式の取扱説明書(日本語版)をもとに、GMTマスターIIの使い方を手順にまとめ直したものです。止まったときの合わせ方、旅先で時差を合わせる方法、ベゼルで3つ目の時刻を読む方法まで書いています。
- リューズの位置0〜3で、それぞれ何が動くか
- 止まったとき・買ってすぐの時刻と日付の合わせ方
- 旅先で時差を合わせるときに触るのは時針だけ、という話
- 回転ベゼルをどちらに回せばいいか
- 海外に持ち出さない自分にとって、GMT機能は何の役に立っているか

結論:時差は「位置2で時針だけ」、日本時間は「位置3」で合わせます
先に結論です。時差を合わせるときに触るのは、リューズを1段引き出した位置2の時針だけです。時針は1時間ずつ跳ぶように動き、そのあいだも分針・秒針・24時間針は止まりません。日付は時針につられて勝手に進んだり戻ったりします。
もう1つの位置3(2段引き出す)は、秒針が止まって、分針と24時間針を合わせる段です。こちらは止まった時計を合わせ直すときに使います。順番は、位置3で日本時間を合わせてから、位置2で時針と日付。逆にすると、位置3で時針も一緒に回ってしまうので、せっかく合わせた時針がずれます。
覚えることはこの2つだけです。あとは場面ごとに、どちらの段を使うかが変わるだけでした。
針とベゼルの役割を先に整理しておきます
GMTマスターIIの文字盤には、針が4本あります。時針・分針・秒針と、矢印のような先端の24時間針です。24時間針は文字盤を1日で1周します。普通の時針が12時間で1周するのに対して、こちらは24時間で1周です。
公式の取扱説明書では、時針が指す時刻を「ローカルタイム」、24時間針が指す時刻を「ホームタイム」と呼んでいます。ローカルタイムは今いる場所の時刻、ホームタイムは自宅のある場所の時刻です。日本に住んでいる人なら、ホームタイムは日本時間になります。
ベゼルには24の目盛りがあり、両方向に回ります。126711CHNRはブラウンとブラックの2色に塗り分けられていて、色でおおよそ昼か夜かのあたりがつきます。ベゼルの三角形のマークを12時の位置に合わせた状態を、説明書では「ニュートラルポジション」と呼んでいます。ニュートラルのとき、24時間針がベゼル上で指している数字が、そのままホームタイムの「時」です。
日本にいるあいだは、時針と24時間針がどちらも日本時間を指しています。2本が同じ時刻を指しているので、24時間針は「いまが午前か午後か」を見分ける針として働きます。これがあとで、日付を合わせるときに効いてきます。
リューズの位置は4つあります
GMTマスターIIのリューズは、ねじ込み式です。ねじ込んだ状態から、ゆるめる、1段引く、2段引く、の4つの位置があります。説明書では0〜3の番号で呼んでいるので、この記事もそれに合わせます。
- 位置0:最後までねじ込んだ状態。この状態で100mの防水が保たれます。ふだんはここです
- 位置1:ねじをゆるめただけの状態。時計回りに回すとゼンマイが巻けます。反時計回りでは巻けません
- 位置2:1段引き出した状態。時針が1時間ずつ前後に動き、日付もそれにつられて変わります
- 位置3:2段引き出した状態。秒針が止まり、分針と24時間針が動きます。時針も一緒に回ります
サブマリーナー デイトは、1段目で日付、2段目で時刻です。GMTマスターIIは1段目で時針、2段目で分針。同じロレックスでも、段の意味が違います。2本持っていると、ここが混ざりやすいところです。

キャンプや休日はグリーンサブ、旅行や出張はカフェオレと、場面で分けて着けています。1段目の意味が違うので、手の感覚だけでリューズを引くと、思っていない針が動きます。引く前に、どっちの時計かを一度見るくらいでちょうどいいと思います。
止まったとき・買ってすぐの合わせ方
止まっている時計を合わせ直すときは、5つの手順でやります。新品を受け取ったときも同じです。

1. 位置1でゼンマイを巻く
リューズを反時計回りに回してゆるめると、位置1になります。そのまま時計回りに回して、ゼンマイを巻きます。公式の説明書では、止まったときは少なくとも25回転以上と書かれています。巻きすぎて壊れる心配はありません。着けていれば腕の動きで巻かれるので、あくまで動き出すきっかけづくりです。
パワーリザーブは約70時間です。外して置いておくと、3日目の夜あたりで止まる計算になります。1本を数日休ませれば、止まっていても不思議ではありません。
2. 位置3で、24時間針と分針を日本時間に合わせる
リューズを2段引き出すと、秒針が止まります。ここで先にベゼルを回して三角形を12時に戻し、ニュートラルポジションにしておきます。そのうえでリューズを回し、24時間針はベゼルの目盛りで、分針は文字盤の目盛りで日本時間に合わせます。
秒針が止まっているので、スマホの時計の0秒に合わせてリューズを押し込めば、秒まで揃えられます。
この段では時針も一緒に回ります。だから時針は、この段では合わせなくて構いません。次の段でやり直すことになるからです。
3. 位置2で日付を合わせる
リューズを1段押し込んで位置2にすると、時針が1時間ずつ跳ぶように動きます。説明書によると、時針を回して文字盤を2周させ、深夜12時を過ぎると日付が1日変わります。
日付をいくつも動かしたいときは、ひたすら時針を回します。1日ぶんで2周なので、大きく動かすときは少し根気がいります。
4. 位置2のまま、時針を今の時刻に合わせる
日付が合ったら、時針を今の時刻まで動かします。ここで気をつけるのが午前と午後です。午前と午後を取り違えると、日付が昼の12時に変わる時計になります。
GMTマスターIIなら、ここで24時間針が助けてくれます。手順2で24時間針を日本時間に合わせているので、24時間針が「15」あたりを指していれば今は午後です。日本にいるなら、時針を24時間針と同じ時刻に合わせれば、午前・午後はずれません。
5. 押し込みながら最後までねじ込む
最後にリューズを押し込み、時計回りに最後まで回してねじ込みます。位置0に戻すところまでやって、ようやく防水が戻ります。ねじ込みを忘れたまま手を洗うのが、いちばん避けたい失敗です。
旅先で時差を合わせる手順は、時針を動かすだけです
ここがGMTマスターIIらしいところです。時差を合わせるとき、分針も秒針も止める必要がありません。位置2で時針だけを動かします。
- リューズをゆるめ、1段引き出して位置2にする
- 時針を現地の時刻まで回す(1時間ずつ、前にも後ろにも動きます)
- 押し込みながら最後までねじ込む
東へ行って時刻が進む場所なら時針を進め、西へ行って遅れる場所なら戻します。日付は時針につられて変わるので、日付だけを別に合わせる必要はありません。日付変更線をまたいでも、時針を回せば日付もついてきます。
このあいだ、24時間針は日本時間を指したままです。時針で現地の時刻、24時間針で日本の時刻が同時に読めます。家族に連絡していい時間かどうかを、スマホを出さずに確かめられるのが、この時計の本来の使い方です。
夏時間がある国は、時期で時差が変わります
日本には夏時間がありませんが、行き先によっては季節で1時間ずれます。たとえばロンドンは、冬は日本より9時間遅れで、夏時間のあいだは8時間遅れです。時差は出発前にスマホの世界時計で確かめておくのが確実です。
帰ってきたら、時針を24時間針に合わせて戻す
日本に戻ったら、位置2で時針を回して、24時間針と同じ時刻に戻します。24時間針はずっと日本時間を指していたので、それに合わせるだけで済みます。
もう1つ、公式の説明書にははっきり書かれていることがあります。水中でリューズを操作してはいけません。旅先のプールや海でふと時刻を直したくなっても、乾いた場所で、手を拭いてからにしてください。
ベゼルを回すと、3つ目の時刻が読めます
ベゼルを使うと、時針と24時間針に加えて、もう1つの時刻を表示できます。やり方は公式の説明書に書かれていて、手順はこうです。

- ベゼルをニュートラル(三角形が12時)にする
- 表示したい場所とホームタイムの時差を調べる
- 進んでいる場所なら反時計回り、遅れている場所なら時計回りに、時差の目盛りぶん回す
- 24時間針が指すベゼルの数字が、その場所の「時」になる。「分」は分針で読む
たとえば、ホームタイムが日本時間で、冬のロンドンを表示したいなら、日本より9時間遅れなのでベゼルを時計回りに9目盛り回します。グアムなら日本より1時間進んでいるので、反時計回りに1目盛りです。
向きを逆にすると、時差の2倍ずれた時刻を読むことになります。回す向きを間違えても、時計は何も教えてくれません。覚え方としては、「進んでいる場所は、大きい数字を24時間針の下へ連れてくるから反時計回り」が分かりやすいと思います。
使い終わったら、三角形を12時に戻しておきます。ベゼルを回したまま忘れると、次に24時間針を見たときに日本時間を読み違えます。

ベゼルは指で気軽に回せるぶん、回したことを忘れやすい部品だと思います。読み終わったら三角形を12時に戻すところまでを、ひとつの動作として覚えておくのがいちばん確実です。
海外に持ち出さない自分にとって、GMT機能は何の役に立っているか
ここまで書いておいてなんですが、自分は海外旅行にはロレックスを着けていかないと決めています。盗まれたあとに打てる手が日本の中の話ばかりだったからです。国内の旅行や出張には、この2本目を着けていきます。
なので、旅先で時針を動かす出番は、今のところほとんどありません。日本の中は時差がないので、時針と24時間針はいつも同じ時刻を指しています。
それでも24時間針は、日本の中でも出番があります。止まったあとに日付を合わせるとき、24時間針を見れば午前か午後かで迷いません。サブマリーナーには24時間針がないので、説明書どおり時針を12時まで進めて、日付が変わるかどうかで午前か午後かを確かめることになります。
2本目にGMTマスターIIを選んだときの基準は、1本目と役割が重ならないことでした。機能もその1つで、見た目が好みだったことも大きかったです。選んだときの話はロレックスの2本目は何を選ぶかに書いています。
よくある失敗と、日付の禁止時間の話
手順そのものは難しくありません。つまずくのは、順番と戻し忘れです。
日付の「禁止時間」は気にしなくていいのか
ロレックスには「夜から深夜にかけては日付を動かしてはいけない」という話がよく出てきます。日付変更の禁止時間を調べた記事でも書きましたが、公式の取扱説明書にはこの禁止時間の記載がありません。GMTマスターIIの説明書も同じで、時針を回して日付を変える手順が書いてあるだけでした。
126711CHNRのムーブメントはキャリバー3285で、型番の頭は126です。型番が126で始まる今の世代なら、時間を気にせず時針を回して大丈夫です。ただし中古で一世代前の型番を買った場合は、念のため夜を避けて合わせたほうが安心です。
サブマリーナーのベゼルとは、そもそも役割が違います
同じ回転ベゼルでも、サブマリーナーは使い方がまったく違います。公式の説明書によると、サブマリーナーのベゼルは60分目盛りで、安全のために反時計回りにしか回りません。潜る前に三角形を分針の位置に合わせ、経過した時間を分針で読みます。
反時計回りしか回らないのは、ぶつけて誤って回ったときに、経過時間が実際より長く表示されるようにするためです。説明書には、誤って回っても「潜水時間が予定より短くなるだけ」と書かれています。
GMTマスターIIのベゼルは両方向に回り、目盛りは24時間です。測るのは経過時間ではなく、別の場所の時刻です。サブマリーナーは「何分たったか」、GMTマスターIIは「向こうは何時か」。2本持っていると、この違いがよく分かります。
まとめ:迷ったら「時差は位置2、日本時間は位置3」
GMTマスターIIの使い方は、リューズの段を覚えればほとんど終わりです。時差を合わせるときは位置2で時針だけ、止まったときは位置3で日本時間を合わせてから位置2。ベゼルは、進んでいる場所なら反時計回り、遅れている場所なら時計回りです。
自分のように海外へ持ち出さない人でも、24時間針は午前と午後の目印として毎回使えます。次に時計が止まっていたら、まず24時間針から合わせてみてください。









