【100mと300mの差より、リューズ】ロレックスの防水はどこまで大丈夫か|数字の読み方と、水に入る前の手順

2本目にGMTマスターII(126711CHNR、カフェオレ)を買ったあと、仕様を見直していて手が止まりました。1本目のグリーンサブは防水300m、カフェオレは100m。同じロレックスなのに3倍違います。
ふだん着けたままシャワーを浴びているので、100mのほうでも同じでいいのか、急に自信がなくなりました。そこでロレックスの防水について、公式サイトとユーザーガイド、日本時計協会の資料を読み直しました。
先に結論を書いておくと、ふだんの水なら、100mのモデルでも300mのモデルでも差はありません。差が出るのは、潜るかどうかと、リューズを最後までねじ込んであるかどうかです。
- ロレックスの防水の数字は「50m・100m」と「300m以上」の2種類に分かれること
- 「100m防水」は100m潜れるという意味ではないこと(日本の防水区分との対応)
- 防水を保っているのはリューズで、位置0でしか防水が保証されないこと
- 水に入る前と出たあとにやる手順
- 防水が年数で落ちていく仕組みと、オーバーホールとの関係
- 水が入ったかもしれないときにやること・やらないこと

結論:ふだんの水はどのモデルでも大丈夫。条件はリューズを締めてあることだけ
ロレックス公式サイトには、オイスター パーペチュアルのコレクションは少なくとも水深100mまでの防水性能を持つと書かれています。シャワーについても、着けたまま浴びて大丈夫だという案内があります。
手を洗ったり、雨に降られたり、シャワーを浴びたり。このあたりで100mと300mの差を気にする場面は、自分の生活にはありませんでした。
ただ、ユーザーガイドを読むと、防水が保証されるのには条件がついています。リューズが最後までねじ込まれていることです。数字の大きさより、こちらのほうがよほど効いてきます。

300mと100mの差を気にしていたのに、読み終わってみたら、気にするべきはリューズのほうでした。拍子抜けしましたが、手順がはっきりしたので安心もしました。
公式の防水の数字は、2種類に分かれています
ロレックスの防水の数字を並べてみると、きれいに2つのグループに分かれます。
その前に1つ。公式サイトによると、防水は製造工程全体で管理されていて、1本ずつ高圧タンクに入れて密閉性を検査しています。抜き取り検査ではなく、手元に来た時計はどれも水圧をかけられたあとのものです。
50m・100mの時計
デイトジャスト、エクスプローラー、GMTマスターII、デイトナ、オイスター パーペチュアルなど、ダイビング用ではないモデルです。カフェオレもここに入ります。
公式サイトの防水のページによると、この時計は規定水深と同じか、最大10%高い水圧で検査されています。100mのモデルなら、出荷前に100〜110m相当の水圧をかけて確かめている、という意味です。
300m以上のダイバーズウォッチ
サブマリーナー(300m)、シードゥエラー(1,220m)、ディープシー(3,900m)、ディープシー チャレンジ(11,000m)です。グリーンサブはここです。
こちらは保証水深に25%を加えた水圧で検査されます。サブマリーナーなら375m相当です。ディープシーは、コメックス社と共同開発した高圧タンクで水深4,875m相当の圧力をかけると書かれていました。
公式が「ダイバーズウォッチ」と呼んでいるのは、300m以上の側だけです。100mのモデルを、ダイビング用の時計として売っているわけではありません。
シードゥエラー以上についている装備は、ふだんは使いません
シードゥエラーとディープシーには、ヘリウムエスケープバルブがついています。1967年に特許を取ったもので、飽和潜水のあいだにケースの中にたまったガスを、減圧のときに逃がすための弁です。持ち主が操作するものではありません。
ディープシーには2008年に「リングロック システム」が加わりました。少しドーム状のサファイア風防、窒素合金スチールの耐圧リング、チタン合金の裏蓋で水圧を受けるつくりです。どちらも深く潜る仕事のための装備で、陸の生活では出番がありません。自分がシードゥエラーを選ばなかった理由もここにあって、その話はシードゥエラーとサブマリーナーの違いに書きました。
サブマリーナーも最初から300mではありませんでした
公式の年表では、サブマリーナーは1953年に100m、1954年に200m、1989年に300mへと深くなっています。日付表示つきのモデルは1979年に300mになりました。シードゥエラーは1967年に610m、1978年に1,220mです。
中古で古い世代を見るときは、いまのカタログの数字をそのまま当てはめないほうがいいです。型番から世代を確かめて、その世代の数字で考えます。
「100m防水」は、100m潜れるという意味ではありません
ここがいちばん勘違いしやすいところだと思います。自分も最初は「100mあるならプールくらい余裕だろう」と読んでいました。
日本時計協会の資料では、防水時計は用途で区分されています。日常生活用は気圧(bar)で、潜水用はメートルで表示する決まりです。

- 日常生活用防水(2〜3気圧):汗、洗顔のときの水滴、雨まで
- 日常生活用強化防水(5・10・20気圧):20気圧なら水泳や素潜りまで。強い水圧のシャワーや水道水を直接当てないよう注意書きがあります
- 潜水時計・JIS1種(100・200・300m):空気ボンベを使うスクーバ潜水向け
- 飽和潜水時計・JIS2種(300・600・1000m):ヘリウムを混ぜたガスで長時間潜る仕事向け
ロレックスはどのモデルも「m」で書いています。ただ、さっきの公式の分け方と合わせると、100mのモデルを潜水時計の100mと同じには読めません。潜水用として作られているのは、300m以上のダイバーズのほうです。
雨、洗い物、洗車くらいは、どのモデルでも気にしなくていいと思います
日本時計協会の区分では、5気圧の日常生活用強化防水でも、洗車や食堂などの水仕事に使えるとされています。100mのモデルはそれより上の検査を通っているので、日常の水仕事で困ることはまずありません。
ただ、同じ資料に「5気圧以上でも、激しい水圧のシャワーや水道水を直接当てないように」という注意があります。蛇口の真下に時計を突っ込むような洗い方は、モデルに関係なく避けています。
では100mのカフェオレで泳げるのか。公式は海で使ったあとの洗い方を案内しているので、海に入ること自体は想定されています。とはいえ、自分は2本とも、海やプールで泳いだことはありません。もし泳ぐ予定ができたら、着けていくのはグリーンサブにします。100mでも足りるとは思いますが、ダイビング用の検査を通っているほうを選んだほうが、あとで気にしなくて済むからです。

数字で迷うくらいなら、潜るかどうかで分けたほうが早いです。潜らない人にとっては、100mと300mはほとんど同じものだと思っています。
防水を守っているのは、ケースよりリューズです
ロレックスの防水は、1926年に特許を取ったオイスターケースから始まっています。ベゼル、裏蓋、リューズをケースにねじ込んで密閉するつくりです。
この中で、ふだん自分の指で開け閉めするのはリューズだけです。公式の年表にも、リューズの話が2回出てきます。1953年に二重に密閉する「トゥインロック」、1970年にもう1か所増やした「トリプロック」をダイビング用モデルに採用しました。それだけリューズが弱点になりやすい、ということだと受け取りました。

オイスター パーペチュアルのユーザーガイドには、リューズが位置0(ねじ込んだ状態)にあるときに水深100mまでの防水性能を保証しますと書かれています。裏を返すと、ゆるめた位置1や、引き出した位置2・3では、防水は保証されません。
もうひとつ、はっきり書かれている注意があります。「水中でのリューズの操作は絶対にしないでください」。リューズを触ったあとは必ず十分にねじ込んで元に戻すことと、お手入れの前にも最後までねじ込まれているかを確かめることも書かれています。
ねじ込み方
- リューズを位置1(ゆるめた状態)まで戻す
- ケースに軽く押しつけながら、時計回りに回す
- これ以上回らないところまで回したら、指を離す
説明書の手順はこれだけです。困るのは、ちゃんと締まったかどうかが目で見て分かりにくいことでした。リューズとケースのすき間は、締めていてもゆるめていても大きくは変わりません。だから見るより、指で時計回りにもう一度回してみて、それ以上回らないことを確かめるのが確実です。
リューズを触る場面は、時刻合わせ、日付合わせ、止まったときの手巻きくらいです。2本を交互に着けていると、止まったほうの時刻を合わせる回数が増えます。締め忘れがいちばん起きやすいのは、たぶんこのタイミングだと思っています。
時刻合わせは、乾いた手で、水回りから離れてやる
お風呂上がりに洗面所で時刻を合わせる、というのはやらないほうがいいと思っています。手が濡れていると、リューズのすき間に水を運ぶことになります。合わせるなら手を拭いてから、机の上でやって、そのまま位置0まで締めるところまでを1セットにします。
合わせ終わって、締める前に電話が鳴ったとします。こういう中断が締め忘れのもとなので、途中で手を止めないことも決めています。
水に入る前と、出たあとの手順
ここまでの話を、手順にまとめ直しました。シャワーのように毎日のことは①だけで足ります。海やプールに入る日は、全部やります。
水に入る前
- リューズを指で時計回りに回して、それ以上回らないか確かめる
- 前回のオーバーホールから何年たっているかを思い出す(分からなければ、深い水には入れない)
- 風防やベゼルに欠け・ひびがないか見る
- 風防の内側が曇っていないか見る(曇っていたら、もう水が入っています)
水から上がったあと
- 海に入った日は、その日のうちに真水で海水と砂を流す(公式のユーザーガイドにある指示です)
- 柔らかい布で水気を拭く
- 乾くまでリューズは触らない
- 風防の内側が曇っていないか、もう一度見る
真水で流すのは、海水の塩がブレスのすき間に残るからです。洗い方そのものはロレックスの洗浄は自宅でどこまでやれるかに、公式の案内に沿った手順をまとめています。
海から上がってすぐ時刻を合わせたくなっても、濡れたままリューズを引き出すのはやめておきます。引き出した瞬間に、水が入る道ができるからです。
シャワーは着けたまま、温泉とサウナでは外しています
お風呂まわりは、洗浄の記事で公式の記述を確かめました。シャワーは公式が大丈夫と書いているので、着けたままです。
温泉、サウナ、熱い湯船については、公式サイトに記述が見つかりませんでした。防水の数字は水圧の話で、熱や蒸気に強いという意味ではありません。ゴムのパッキンは温度で膨らんだり縮んだりするので、温泉とサウナでは外すことにしています。
外すかどうかは、防水とは別の理由でも決まります。旅先の温泉では、脱衣所のかごに置いておくのがいちばん怖いです。この話は海外旅行に着けていくかの記事と普段使いは怖いのかの記事に書きました。
防水は、買ったときの数字がずっと続くわけではありません
防水の数字が保証されるのは、パッキンが傷んでいないときです。パッキンはゴムなので、年数とともに硬くなっていきます。
公式によると、オーバーホールでは分解と注油のほかに防水に関わる部品の交換と防水検査が行われます。防水はオーバーホールのたびに元に戻るもので、出していない期間が長いほど、カタログの数字と実際の状態は離れていきます。
ユーザーガイドには「正確性と防水性能の維持を確実にするために、定期的なオーバーホールを薦める」とあり、公式サイトは目安を約10年としています。詳しくはロレックスのオーバーホール頻度は10年でいいのかにまとめました。

白状すると、自分の2本はまだ一度もオーバーホールに出していません。グリーンサブは2024年11月、カフェオレは2025年1月に買ったので、どちらも2年たっていない計算です。いま防水がどこまで残っているかは、確かめていないので分かりません。
2年ならまず問題ないだろう、とは思っています。ただ、それは数字で確かめた話ではありません。泳がないので確かめる必要が出てこなかった、というほうが正直なところです。
防水検査だけ頼めるのか
オーバーホールではなく、防水の検査だけを正規店で受けられるのか。これは公式サイトを探しても、単体のメニューとしての案内を見つけられませんでした。気になるときは、買った正規店で「防水が心配なので見てもらえますか」と相談するのがいちばん早いと思います。窓口の種類は修理はどこに出すかの記事にまとめています。

防水を確かめる機会がないまま何年も過ぎるのが、いちばんありがちな形だと思います。自分は保証が切れる前に一度、正規店で聞いてみるつもりです。
水が入ったかもしれないときの手順
風防の内側が白く曇った、文字盤に水滴がついた、秒針が止まった。こうなったら、ケースの中に水か湿気が入っています。外からいくら拭いても取れません。
- それ以上水に近づけない
- リューズは触らずに、そのままの状態で置く
- できるだけ早く、買った正規店か日本ロレックスの窓口に持ち込む
- 保証期間内なら、保証書(保証カード)も一緒に持っていく
やらないことも決めています。ドライヤーで温めない、リューズを引き出して乾かそうとしない、裏蓋を開けようとしない。どれも公式に書かれていることではありませんが、熱はパッキンを傷めますし、リューズを開ければ湿気の出口より入口が増えます。中の水は時間がたつほど部品をさびさせるので、自分で何とかするより、早く持ち込むほうを選びます。
保証については、公式の5年保証は製造上の不具合を対象にしたものです。リューズを締め忘れて水が入った場合にどう扱われるかは、自分には判断がつきません。そこも含めて、窓口で聞くしかないと思っています。
中古で買うなら、防水はカタログではなく個体で決まります
中古のロレックスの防水は、前の持ち主がいつオーバーホールに出したかで決まります。同じ型番でも、パッキンを替えたばかりの個体と、20年出していない個体では別物です。
- 最後のオーバーホールの時期と、どこで受けたかを聞く
- そのとき防水検査をしたかを聞く
- 型番から世代を確かめて、その世代の防水の数字で考える
- 製造から何十年もたったアンティークは、防水が実質残っていないものとして扱う
アンティークを水に近づけないのは、洗浄の記事を書いたときにも同じ結論になりました。見た目がきれいでも、中のパッキンまでは見えないからです。
まとめ
ロレックスの防水は、100mのモデルでも300mのモデルでも、ふだんの水なら差はありません。差が出るのは潜るときと、リューズを最後までねじ込んであるかどうかです。
自分がこれから続けるのは2つだけです。リューズを触ったら、指でもう一度回して締まりを確かめること。そして、保証が切れる前に一度、防水がどうなっているかを正規店で聞くこと。2本ともオーバーホールはまだですが、数字を気にするより、この2つのほうが確実に効くと思っています。
防水300mのグリーンサブがどんな時計かはグリーンサブ(126610LV)のレビューに、もっと深いシードゥエラーとの違いはシードゥエラーとサブマリーナーの違いに書いています。









