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【実践して分かった】リーダーの仮面がパワハラと言われる理由と、越えてはいけない3本の線

claude
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「リーダーの仮面」を読んで最初に検索したくなるのが、「これ、パワハラにならないのか?」という疑問だと思います。上司から勧められて読んだ人、逆に上司がこの本を実践し始めてしんどくなっている人、どちらも同じ入口に立っているはずです。

先に結論を書きます。本そのものはパワハラを推奨していません。むしろ感情で怒ることを禁じている本です。ただし読み方を間違えると、驚くほど簡単にパワハラ側へ滑り落ちます。

この記事では、なぜ「パワハラ」という感想が集まるのかを5つの思考法ごとに分解したうえで、リーダーとして実際にこの考え方を持ち込んでみた立場から、越えてはいけない線を3本に整理しました。

この記事でわかること
  • 「リーダーの仮面」がパワハラと言われる3つの理由
  • 厚生労働省のパワハラ6類型と照らし合わせるとどうなのか
  • 実践するときに越えてはいけない3本の線
  • 上司が実践してきてつらいときの現実的な対処
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リーダーの仮面がパワハラと言われる3つの理由

この本が示すのは「ルール」「位置」「利益」「結果」「成長」という5つの思考法です。どれも読むぶんには合理的なのですが、言葉が強いぶん、部分だけを切り取られると別物になります。

リーダーの仮面の5つの思考法とパワハラと誤読されるポイントの比較図
右列は本の主張ではなく、現場で起きがちな運用の失敗例

理由1:「位置」が距離ではなく孤立として読まれる

いちばん反発を集めるのがここです。職場は寂しさを埋める場所ではないので部下と距離を取る、飲み会に誘われなくなったら合格、という趣旨の記述があります。

僕もこの章には同意できませんでした。人が心を開いてつながることでイノベーションが生まれる、という「NO RULES」的な世界観とは真逆です。そして「距離を取れ」を「相談を受けるな」と読み替えてしまうと、厚労省が挙げる「人間関係からの切り離し」に一直線です。

理由2:「利益で人を動かす」が人間性の否定に聞こえる

人柄や感情ではなく利益で動かす、という主張も冷たく響きます。本の意図は「好き嫌いで評価するな」なのですが、これを裏返して「会社にとって得か損か」だけで人を語り始めると、存在そのものを否定する言葉が出てきます。

理由3:「結果だけを見る」が日常の詰めに変わる

プロセスを評価しないという方針は、評価制度の話としては筋が通っています。問題は、これを日々の会話にまで持ち込んだときです。数字が出ていない部下に対して毎日「で、どうなった?」を繰り返せば、本人にとっては詰められている時間でしかありません。

ちゅけ
ちゅけ

読んだときの正直な感想は「人間性を切り捨てすぎでは?」でした。全部は受け入れられなかったです。

パワハラの定義と照らすと、本自体はパワハラを勧めていない

感覚で語っても水掛け論になるので、公的な定義に当ててみます。厚生労働省の定義では、①優越的な関係を背景にした言動、②業務上必要かつ相当な範囲を超えている、③就業環境が害される、の3つをすべて満たすものが職場のパワハラです。

厚生労働省が示す職場のパワハラ6類型とパワハラの3要件をまとめた図
パワハラかどうかは、この6類型と3要件で判断される

この物差しで見ると、本が説いていることの多くはむしろ逆方向です。ルールを明文化して「察しろ」をなくす、感情で怒らない、評価の基準を明示する。これらは「業務上必要かつ相当な範囲」を言語化して、上司の気分で基準が動くことを防ぐ仕組みです。

問題は運用のほうにあります。仮面をかぶって淡々と伝えるはずが、実際には「厳しくしていい」という免罪符として使われる場面が出てきます。ここで人格に触れた瞬間、②の精神的な攻撃に落ちます。

実践して分かった、越えてはいけない3本の線

リーダーとしてこの考え方を持ち込んでみて、使える部分と危ない部分の境目がだいぶはっきりしました。線は3本です。

リーダーの仮面を実践するときにパワハラにならないための3本の線を示した図
線の内側にいる限り、この本の考え方は機能する

線1: 指摘するのは「行動」であって「人格」ではない

「その報告が期日に出ていない」は行動の指摘で、いくら繰り返しても問題になりません。一方「君はいつもだらしない」は人格の指摘です。言っている内容は同じつもりでも、主語が人になった瞬間に線の外側に出ます。

仮面をかぶる意味は、ここでブレないためだと思っています。生身の自分だと苛立ちがそのまま言葉に乗りますが、仮面の自分は「事実だけを言う役」に徹することができます。この点については本の主張に完全に同意しています。

線2: 距離を取る目的は「公平さ」であって「孤立」ではない

飲みに行く相手だけ評価が甘くなる、というのは実際に起きます。その意味で距離を取る発想には理があります。ただし距離を取っていいのは「私的な親しさ」であって、「相談の窓口」は開けたままにしておく必要があります。

雑談をやめ、1on1も減らし、困ったときに声をかける先がない状態にしてしまうと、それは公平さではなく放置です。

線3: 結果で判断するのは「評価の場面」だけ

結果主義は査定の話であって、日常のコミュニケーションの話ではありません。評価では結果だけを見る、けれど日々の1on1では詰まっている原因を一緒に見る。この使い分けができないと、「結果を出せ」しか言わない上司になり、部下は相談ではなく言い訳を用意し始めます。

ちゅけ
ちゅけ

この3本さえ守れていれば、あとは結構自由にやれます。逆に1本でも越えると一気に空気が悪くなります。

この本が効く人
  • 情に流されて評価が甘くなる自覚がある人
  • 怒りたくないのに感情的になってしまう人
  • 暗黙のルールが多いチームを立て直したい人
  • 初めて中間管理職になり、振る舞いの型がほしい人
そのまま真似すると危ない人
  • もともと部下を詰めがちな自覚がある人
  • 新しい発想やイノベーションを求められる組織のリーダー
  • 「厳しくしていい理由」を探して読もうとしている人
  • 本の一部だけを切り取ってチームに導入しようとしている人

上司が実践してきてつらいときにできること

逆の立場、つまり上司がこの本を読んで急に態度が変わった側の人もいると思います。その場合にまずやってほしいのは、感情ではなく事実を残すことです。

  • いつ・どこで・誰の前で・何を言われたかを日付つきでメモに残す
  • チャットやメールの記録は消さずに保存しておく
  • 6類型のどれに当たりそうかを自分で当てはめてみる
  • 社内の相談窓口、なければ各都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談する

パワハラ防止法により、企業には相談窓口の設置が義務づけられています。「気にしすぎかも」で抱え込む必要はありません。

ちゅけ
ちゅけ

本を読んだ上司が悪いというより、「仮面」だけ持って中身を読み飛ばしたパターンが多い気がします。

まとめ

「リーダーの仮面」はパワハラの教科書ではありません。感情を排して事実で伝えるための本であり、正しく使えば部下を守る側に働きます。それでも「パワハラ」という感想が集まるのは、言葉の強さと、切り取られやすさのせいだと思っています。

実践するなら、指摘するのは行動だけ、距離を取るのは公平さのため、結果で判断するのは評価のときだけ。この3本の線を意識しておけば、少なくとも自分が加害側になることはないはずです。

本の内容そのものや、5つの思考法の中身、僕の総合評価については【パワハラ?やりすぎ?】リーダーの仮面【感想・レビュー・まとめ】にまとめています。読むかどうか迷っている段階なら、先にそちらを見てもらったほうが早いです。

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