【パワハラ?やりすぎ?】リーダーの仮面【感想・レビュー・まとめ】

安藤広大さんの『リーダーの仮面』(ダイヤモンド社)を読んだ感想です。読んだのは、ちょうど自分がリーダーとして働いていたころでした。読み終えた感想を一言にすると「やりすぎでは」です。
「パワハラの本なのか」が気になって開いた人に、先に答えておきます。本そのものは、パワハラを勧めてはいないと僕は読みました。ただ、部下と距離を取れという「位置」の章には、僕も同意できていません。どこが引っかかるのかは記事の後半に、線引きの細かい話はリーダーの仮面がパワハラと言われる理由と、越えてはいけない3本の線に書いています。
- 『リーダーの仮面』がどんな本で、5つの思考法が何を言っているのか
- 読んで同意できたところと、できなかったところ
- 「パワハラ」「やりすぎ」と言われる理由を、厚生労働省の定義に当てるとどうなるか
- この本が向いていないと思う人
書籍情報
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書評
どんな本?
設立からわずか4年で上場を果たした株式会社識学の創業者である著者が
リーダーシップについて書いた本。
識学とは「全ての従業員が ストレスに悩まされることなく、仕事に集中できる組織」 作り上げることによって、成果を上げるマネジメント理論です。
本書ではリーダーシップではなくリーダーや中間管理職向けのマネジメント論を
論じています。
冒頭では「優秀なプレイヤーが、必ずしも優秀なリーダーになるとは限らない」とかいてあります。 皆さんもなんとなく心当たりがあるのではないでしょうか。
リーダーになるためには先天的なセンスが求められると思いがちですが本書では5つの思考方さえ守れば優秀リーダーになれると本書は述べています。
その思考法とは「ルール」「位置」「利益」「結果」「成長」に関わるものです。
本書では上記の優秀なリーダーに求められる思考法を実行するための手法=リーダーの仮面を被る方法を教えてくれます。
「数値化の鬼」「とにかく仕組み化」と同じであり、それぞれ
「数値化の鬼」がプレイヤー向け。
「リーダーの仮面」が中間管理職向け。
「とにかく仕組み化」が役員・経営者向け。
となっております。
読んだきっかけ
現在リーダーとして職務をしているためリーダーとしての振る舞いについて学びたいと思ったことがきっかけです!
良かった点・悪かった点
感想・まとめ
本書では誰でも優秀なリーダーになることができると述べていました。
それに必要なのが「ルール」「位置」「利益」「結果」「成長」の思考法です。
それぞれ以下のような内容でした。
- ルール:暗黙の了解はなく誰もが明確に理解することができる
- 位置:上下関係を明確にしてコミュニケーションする
- 利益:人柄ではなく利益で人を動かす
- 結果:結果のみで評価する
- 成長:目の前の成果ではなく、未来の成長をとる
上記の思考法を一言でまとめるとすると
「公私混同せず未来を見据えた仕事を行い結果を出せ」と言ったところです。
私が特に悪い意味で気になったのは位置の章です。
職場は仕事をするところであり、個人の寂しさを紛らわせる場所ではないので
部下と同僚とは距離を取り食事に誘われなくなったら合格という旨が記載されていました。
私自身は「発想する会社!」や「NO RULES」で記載されているイノベーションを連発するグローバル企業の考えとは真逆だと感じました。
人は一定数自分の心を開いて繋がることでイノベーションを起こせるので、それを妨げる主張に対しては同意することはできませんでした。
一方で、厳しい指導をすることを強いられるリーダーにはありのままの自分ではなく仮面を被った仮の自分という人格を用いて指導をすることで生身の自分を傷つけることなく仕事ができるという主張には同意することができました。
本書ではあまりにも人間性を切り捨てているように感じ、それゆえに全部を受け入れることは私にはできませんでした。
合理的に振る舞うことで生産性高く働くことはできますが、
そのような会社から新しいものが生まれる文化が育まれるとは思いませんでした。
本書のレビューを確認すると「パワハラ」とか「やりすぎ」と言った内容の口コミが多く上がっています。徹底的に論理的に振る舞うべきだと主張する副作用でもあると思います。私自身もやりすぎだと感じています。
リーダーの仮面はパワハラなのか
上の感想では「パワハラ」「やりすぎ」という口コミに一段落しか使いませんでした。ただ、この記事が検索でいちばんよく見られている言葉は「リーダーの仮面 パワハラ」でした。それなら一段落では足りないので、少し足します。
厚生労働省の定義に当ててみる
職場のパワハラは、厚生労働省の指針で3つの要素がそろったものとされています。優越的な関係を背景にした言動であること。業務上必要かつ相当な範囲を超えていること。働く人の就業環境が害されること。この3つです。
同じ指針には、業務上必要で相当な範囲で行われる適正な指示や指導は、パワハラに当たらないとも書かれています。上司が部下を注意すること自体は、パワハラではありません。
この物差しで見ると、本の「ルールをはっきりさせる」「結果で評価する」は、むしろ指導の基準を見えるようにする話です。上司の機嫌で基準が動くほうが、よほど危ないと思います。
引っかかるのは「位置」と「仮面」の使い方
僕がいちばん気になったのは、感想にも書いた「食事に誘われなくなったら合格」のくだりでした。私的な付き合いを減らすだけなら問題はありません。ただ、距離を取るつもりで相談まで受けなくなると、指針の6類型にある「人間関係からの切り離し」に近づきます。
「仮面」も同じで、生身の自分を守るための道具としては納得しています。困るのは、仮面をかぶっているから何を言ってもいい、という使い方をされたときです。人格を否定する言い方は、仮面をかぶっていても「精神的な攻撃」です。
なので僕の答えは、本はパワハラの教科書ではない、ただし一部だけ切り取ると簡単にパワハラになる、です。6類型との照らし合わせや、越えないほうがいい線はリーダーの仮面がパワハラと言われる理由と、越えてはいけない3本の線のほうに詳しく書きました。

仮面で自分を守る話には納得、部下と距離を取る話には納得できない。僕の中では、この本はそういう分かれ方をしています。
こんな人におすすめ!
おすすめの人だけだと、読んでから「思っていたのと違った」となる人が出そうなので、逆も書いておきます。
本の一部だけをチームに持ち込むのは、いちばん危ない読み方だと思います。5つの思考法はセットで書かれているので、気になる章だけ真似るより、通して読んでから使うところを決めたほうがいいです。
総評
リーダーのためのマネジメント理論を学ぶことができる本
書いてある内容は時代錯誤と思われる
旧日本的な命令に従えという内容が書いてある。
人を選びそうな本です。
気になったらぜひ読んでみてね😆









