【アムウェイ】ユダヤ人大富豪の教えとアムウェイ、本田健の関係を、読んだ僕が整理する

知り合ってまだ日が浅い人から『ユダヤ人大富豪の教え』を勧められて、なんとなく引っかかって検索してここに来た。そういう人がかなりの数いるようで、うちのブログにもこのキーワードで毎月それなりのアクセスが来ています。
先に結論を書いておきます。本そのものは普通の自己啓発書で、アムウェイとの公式な関係はありません。ただしネットワークビジネスの勧誘の入り口として使われやすい本であることも事実です。この2つは矛盾しません。
僕はこの本を、アムウェイとはまったく関係のないルート、リベラルアーツ大学(両学長)のおすすめ書籍リストで知って読みました。読んだうえで書評も書いています。その立場から、なぜこの本が勧誘とセットで語られるのかを整理してみます。
- 『ユダヤ人大富豪の教え』とアムウェイに公式な関係があるのかどうか
- なぜこの本がネットワークビジネスの勧誘に使われやすいのか、4つの理由
- 本を勧められたとき、勧誘かどうかを見分けるチェックポイント
- 勧誘とは関係なく、この本を読む価値があるのかどうか

結論:本とアムウェイに公式な関係はない
まず事実関係から。『ユダヤ人大富豪の教え』は本田健さんが2003年に出した自己啓発書で、アムウェイという企業が公式な販促資料として指定している本ではありません。出版社も内容も、ネットワークビジネスとは無関係です。
では何が起きているかというと、会員個人が「勧誘の前段階に読ませる本」として使っているケースがある、という話です。いきなりビジネスの話をすると警戒されるので、まず価値観の話から入る。そのときに使いやすい本として、この本の名前が挙がりやすい。それだけのことです。
なので「この本を持っている人=アムウェイ会員」ではまったくありません。書店で平積みになっているベストセラーですし、僕のように読書リスト経由で読む人のほうが多いはずです。本を持っていた人を疑う、みたいな方向に行かないほうがいいと思います。

ユダヤ人大富豪の教えの中でもマルチ商法に関する記述があり、それが余計勧誘に使われやすい理由だと思います。
なぜこの本が勧誘に使われるのか、4つの理由
実際に読んでみると、「なるほど、これは使いやすいわ」と思う箇所がいくつもありました。悪意があって書かれた本ではないのに、切り取ると勧誘トークとほぼ同じ形になるんです。
1. メンターに教わるという物語構造
この本は、著者が学生時代にアメリカで出会った老富豪から教えを受けて成長していく、という物語形式で進みます。「すごい人に出会って人生が変わった」という筋書きですね。これは「今度すごい人に会わせたいんだけど」という誘い文句と、構造がまったく同じです。本を先に読ませておけば、その後の「会わせたい」がスムーズに通ります。
2. 「自由人」と「不自由人」という強い二分法
この本には自由人・不自由人という概念が出てきます。お金や時間に縛られずに生きる人と、そうでない人という区別です。これ自体は普通の話なんですが、「会社員は不自由人、権利収入を持つ人は自由人」という雑な当てはめに使われると、途端に勧誘の道具になります。実際、知恵袋などを見ると「自由人について説明したい」と誘われて行ったら勧誘だった、という相談がいくつも出てきます。
3. 好きなことを仕事にせよ、という主張
本の主張の核は「大好きなことを仕事にすべきだ」という部分です。仕事を愛している人は与えることばかり考えるから、結果的に高品質なサービスができて成功しやすい、と。僕はこの主張自体には賛成なんですが、「好きなことで自由に生きる」という言葉はMLMの勧誘文句とほぼ同じ形をしています。本で温めておいて、あとから中身を差し替えることができてしまう。
4. お金=人を幸せにした対価、という考え方
お金を稼ぐことは人に幸せを与えた結果である、という考え方も本の中で繰り返し出てきます。真っ当な考え方だと思いますが、これは「だからこのビジネスは社会貢献なんだ」という正当化にそのまま流用できてしまいます。勧誘する側は、自分がやっていることを疑われたときの答えを、本から借りることができる。
勧誘かどうかを見分けるチェックポイント
では、本を勧められた側はどう判断すればいいのか。大事なのは本の内容ではなく、「勧めてきた人の行動」を見ることです。以下の4つのうち2つ以上あてはまるなら、読書の話ではない可能性が高いと考えていいと思います。

とくに3つ目は重要です。特定商取引法では、連鎖販売取引の勧誘をするときに、事業者名・勧誘目的・商品の種類を最初に伝えることが義務づけられています。つまり目的を隠して呼び出す時点で、その勧め方はルールを外れています。これは企業への批判ではなく、そういう勧誘をする個人のやり方の問題です。
対処法はシンプルで、「今日は何の話をするの?」と先に聞くだけです。ちゃんと答えてくれるなら普通の読書の話ですし、はぐらかされたらその場で断って構いません。断ることに罪悪感を持つ必要はまったくないです。

断る理由を用意しようとすると詰められるので、理由を言わずに「興味ないです」で終わらせるのが一番ラクです。
もし、言い出す勇気が出なければ終電がギリギリ無くならない時間まで耐えて、また後日という話にして、音信不通になるのもいいです
じゃあ本自体は読む価値があるのか
ここが一番聞かれるところだと思います。僕の評価は5点満点で3点です。悪い本ではないけれど、絶賛するほどでもない、という位置づけです。
良かったのは、図解版を選んだこともあって内容が頭に残りやすかったこと。読書に慣れていない人でも読み切れる易しさがあります。一方で具体的な手法はほとんど書かれておらず、抽象的な心構えの話が中心です。「明日から何をすればいいか」を求めて読むと肩透かしを食らいます。
Amazonのレビューが荒れているのも、本の中身というよりアムウェイ絡みの文脈で読んだ人の評価が混ざっているからだと思います。ここは分けて考えたほうがいい。
逆に、すでに自己啓発書を何冊も読んでいる人には新しい発見は少ないと思います。あと当然ですが、誰かに勧められて「読んだら次はセミナーに行こう」という流れになっているなら、本を読む前にその関係を見直したほうがいいです。
まとめ
『ユダヤ人大富豪の教え』とアムウェイの関係を整理すると、本とアムウェイに公式なつながりはなく、問題があるのは本の「使われ方」のほうです。メンターの物語、自由人という概念、好きなことを仕事に、お金は幸せの対価。この4つが勧誘トークと相性が良すぎるせいで、定番の入り口になってしまっている。
本を勧められて不安になっている人は、本の中身ではなく「勧めてきた人が目的を最初に話したかどうか」だけを見てください。それで9割は判断がつきます。
本の内容そのものの要約と、僕がどこに学びを感じたかは【アムウェイ】図解ユダヤ人大富豪の教え【要約・感想・まとめ】のほうに詳しく書いています。読むかどうか迷っている人はそちらもどうぞ。

本は悪くない。使う人の問題です。そこだけ切り分けて考えれば怖い本ではありません😆









