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【高さで16倍】キャンプのランタンは何ルーメン必要か|距離から計算し直した

キャンプのランタンは何ルーメン必要かを吊るす高さから計算したアイキャッチ
claude
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キャンプ用のランタンを調べると、どのサイトにも「メインランタンは1000ルーメン以上」と書いてあります。ただ、その1000という数字がどこから出てきたのかを説明している記事が、探しても見つかりませんでした。

気になったので計算してみました。結論から書くと、1000ルーメンという数字は「高さ2mくらいに吊るす」という前提とセットの数字でした。前提が変われば答えも変わります。同じランタンでも、2mから0.5mに下げるだけで手元の明るさは16倍になります。

つまり、夜のサイトで手元が見えないと感じたときにやるべきなのは、ルーメン数の大きいランタンに買い替えることではありませんでした。ランタンを下げることでした。

この記事でわかること
  • ルーメンとルクスの違いと、ルーメンの数字だけでは明るさが決まらない理由
  • 1000ルーメンのランタンを、高さ別に計算した実際の数字
  • テーブルランタンが200ルーメンで足りている理由
  • 1000ルーメンを出しっぱなしにしたときの、電池のもち
1000ルーメンのランタンを吊るす高さ別の照度グラフ
縦軸は対数目盛りです。高さが少し変わるだけで、明るさは桁で動きます
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ルーメンは明るさではなく、光の量です

ルーメン(lm)は光束といって、そのランタンが全方向に出している光の総量を表します。一方、手元がどれだけ明るいかを表す単位はルクス(lx)で、こちらは面積あたりの光の量です。

ランタンが全方向へ均等に光を出すとすると、距離d(メートル)だけ離れた場所の明るさは「光束 ÷ (4π × d²)」で出ます。dが分母で二乗されているところが全部です。ルーメンの数字だけを見ても、手元がどれだけ明るくなるかは決まりません。

1ルクスがどのくらいか、身の回りの明るさで並べます

ルクスという単位も普段は使わないので、先に体感の目安を置いておきます。住宅とオフィスの数値はJIS Z 9110(照明基準総則)から、屋外は一般的な代表値です。

  • 晴れた日の屋外:100,000ルクス
  • 曇りの日の屋外:10,000ルクス前後
  • コンビニの店内:1,000〜1,500ルクス
  • オフィスの机の上:750ルクス
  • 家の食卓:200〜500ルクス
  • リビングでくつろぐとき:150〜300ルクス
  • 玄関・廊下・階段:30〜75ルクス
  • 寝る前の寝室:10〜30ルクス
  • 常夜灯(豆球):1〜2ルクス
  • 満月の夜:0.2ルクス

キャンプの夜に要るのは、この表の下から4〜6番目あたりです。まな板を使うような手元の作業なら食卓と同じ200ルクス、座って飲んでいるだけなら玄関くらいの30〜75ルクスで足ります。オフィスの750ルクスは、屋外で再現しようとするとランタンが何個あっても届きません。このあとの数字は、すべてこの並びのどこに入るかで読んでみてください。

1000ルーメンを2mに吊ると、20ルクスしかありません

さっきの式に1000ルーメンを入れて、高さを変えながら計算した結果がこちらです。

  • 高さ2.0m:20ルクス(寝る前の寝室くらい)
  • 高さ1.5m:35ルクス(玄関の明るさ)
  • 高さ1.0m:80ルクス(廊下より少し明るいくらい)
  • 高さ0.5m:318ルクス(家の食卓と同じ)

20ルクスは、さっきの並びでいうと「寝る前の寝室」(10〜30ルクス)に入ります。ランタンスタンドの高さに1000ルーメンを吊るした真下は、家の玄関にも届いていない明るさということです。その状態で本を読もうとすれば、当然きつくなります。

高さを2mから0.5mに下げるだけで、明るさは20ルクスから318ルクスへ、16倍になります。距離が半分になれば明るさは4倍、4分の1になれば16倍。逆二乗の法則がそのまま効いています。

ちゅけ
ちゅけ

2mに吊るしたランタンの真下が家の階段より暗いと知って、サイトで妙に手元が見えなかった理由がやっと分かりました。ランタンが暗いんじゃなくて、遠かったんですね。

必要なルーメンを逆算すると、数字が跳ね上がります

今度は逆から計算します。ある明るさを得るのに何ルーメン必要か、という向きです。

キャンプのランタンで必要なルーメンを距離別に逆算した棒グラフ
距離が2倍になると、必要なルーメンは4倍になります

リビングの下限にあたる100ルクスを確保するのに必要なルーメンは、0.3mなら113ルーメン、0.5mで314ルーメン、1.0mで1,257ルーメン、2.0mでは5,027ルーメンです。サイト全体を1灯だけで明るくしようとすると、5,000ルーメン以上が必要になります。

市販のLEDランタンで5,000ルーメンはほとんどありません。メインランタン1灯でサイト全体をまかなう、という考え方自体に無理があります。ランタンを何個か持って、それぞれを使う場所の近くに置きます。数字はそちらを指していました。

正直なところ、この計算は最初に間違えました。距離を1mで固定して回してしまい、「1000ルーメンでは食事もできない」というおかしな結論になったんです。見直してみたら、テーブルランタンを1mも上に吊るす人はいませんでした。数字が合わなかったのは、ランタンではなくこちらの前提のほうでした。

テーブルランタンが200ルーメンで足りる理由

200ルーメンのランタンをテーブルの30cm上に置くと177ルクス、リビングでくつろぐ明るさ(150〜300ルクス)にそのまま入ります。40cmまで離すと99ルクスで、こちらは玄関を少し明るくしたくらいです。200ルーメンでも、30cmの距離があれば家の食卓とほぼ同じ明るさになります。ここで1000ルーメンを持ってくると884ルクスになって、コンビニの店内に近づきます。屋外では眩しすぎます。

「テーブルランタンは200ルーメン、テント内は100〜300ルーメン」という定番の目安は、距離が近いことを前提に置いた数字でした。数字そのものは正しくて、書かれていないのは前提のほうだったということになります。

1000ルーメンは、そもそも出しっぱなしにできません

LEDランタンの明るさ別の連続点灯時間とバッテリー容量の関係
1000ルーメンで5時間もたせるには、13,500mAh級が要ります

LEDの発光効率をおよそ100ルーメン/ワットとすると、1000ルーメンは約10ワットです。内蔵バッテリーが5,000mAh(3.7V換算で18.5Wh)なら1.9時間、10,000mAhで3.7時間、13,500mAhでちょうど5.0時間もちます。

日没から就寝までを4〜5時間とすると、1000ルーメンを出したまま一晩を通すには13,000mAh級のバッテリーが要る計算です。「1000ルーメン・連続点灯20時間」と書いてある製品でも、20時間もつのは明るさを最小に絞ったときの数字です。

200ルーメンなら約2ワットなので、5,000mAhでも9.2時間もちます。ここでも、近くに置いて絞って使うほうが有利になります。mAhとWhの換算がややこしい方は、モバイルバッテリーの容量の目安をWh換算で計算し直した記事に同じ換算の考え方を書いています。

ちゅけ
ちゅけ

カタログの「最大ルーメン」と「連続点灯時間」は、たいてい別のモードの数字です。掛け算しても合いません。ここは何度か引っかかりました。

テント内は、明るくしないほうが眠れます

テントの天井は床から1〜1.5mくらいです。ここに100ルーメンを吊るすと5.5ルクス、300ルーメンでも約17ルクスにしかなりません。テント内は300ルーメンでも17ルクス程度で、寝る前の寝室(10〜30ルクス)とちょうど同じ帯に入ります。

ここを1000ルーメンにすると56ルクスで、玄関の照明が顔の真上にある状態です。寝る直前まで明るいと寝つきが悪くなるので、テント内は絞れるものを選んだほうがいいです。

ちなみに、キャンプで寝られない原因が照明であることはあまりありません。ほとんどは地面からの底冷えです。そちらはキャンプで寝れない原因はマットのR値という記事にまとめてあるので、寝袋を買い替える前に読んでみてください。

1000ルーメンを買ったほうがいい人
  • ファミリーやグループで、ランタンスタンドの2m前後に1灯だけ吊るしたい
  • タープの下全体を、手元というより空間としてぼんやり照らしたい
  • 防災用を兼ねていて、部屋の天井付近から下を照らす使い方も想定している
1000ルーメンでなくていい人
  • ソロで、テーブルの上30〜50cmにランタンを置くか吊るす
  • すでに200〜500ルーメンのランタンを2個持っている
  • 明るさより連続点灯時間を優先したい

まとめ

キャンプのランタンが何ルーメン必要かは、ルーメンだけでは決まりませんでした。距離が二乗で効くので、置く高さを決めないと答えが出ないというのが計算の結果です。

明るさが足りないと感じたら、買い替える前にランタンを50cm下げてみてください。それだけで16倍まで変わります。下げてもまだ足りないと分かってから、ルーメン数を上げれば十分です。

数字をもう一度並べておきます。1000ルーメンは2mで20ルクス(寝る前の寝室)、0.5mで318ルクス(家の食卓)。200ルーメンは0.3mで177ルクス(リビング)。そして1000ルーメンを5時間出しっぱなしにするには13,500mAhが要ります。キャンプで欲しいのは食卓の200ルクスまでで、それ以上は屋外だと眩しいだけでした。

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