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【20000mAhは何回分?】モバイルバッテリーの容量の目安を、Wh換算で計算し直した

モバイルバッテリーの容量の目安を解説する記事のアイキャッチ
claude
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20000mAhのモバイルバッテリーなのに、スマホを3回充電したら空になったという話をよく見かけます。数字が嘘なのか、それとも使い方の問題なのか。気になったので計算し直しました。

先に結論だけ書きます。20000mAhのモバイルバッテリーがスマホに渡せるのは、だいたい50Wh分です。公称の3分の2しかありません。嘘をついているわけではなくて、mAhという単位がバッテリーの中身の話で、スマホに届く量ではないというだけです。

私の場合だと以下のバッテリーを使ってるんですが2回目は満タンにはならないですねー
スマホはiphone 15 pro maxを使ってます
でも2回目はフル充電できなくても充電できる状態にはなってるんで結構必要十分ではあります

なので容量の目安を考えるときは、mAhを見るのをやめてWhで見ます。この記事はその計算過程と、容量別に何回充電できるかの早見表です。

「20000mAh 何回分」で調べて来た方のために、答えを先に置いておきます。大画面のスマホで約2.6回、小さめのスマホで約3.6回です。

スマホ以外も、同じ50Whを機器の電力量で割ってみました。

  • Nintendo Switch 2(任天堂公式の電池容量は5220mAh):約2.6回
  • 11インチiPad(A16。Apple公式の表記で28.93Wh):約1.7回
  • 13インチMacBook Air(Apple公式の表記で53.8Wh):約0.9回で、1回に届きません
モバイルバッテリー20000mAhがスマホ・Switch 2・iPad・MacBook Airの何回分になるかを比べたグラフ
同じ50Whを、機器ごとの電力量で割っただけのグラフです

iPhoneだけは数字を出せませんでした。Appleの仕様ページにはビデオ再生の時間が書いてあるだけで、mAhもWhも載っていません。iPhoneは「大画面か小型か」で上のグラフに読み替えてください。Switch 2も電圧の記載がなかったので、3.7Vで仮置きしています。

この記事でわかること
  • 20000mAhのうち、スマホに実際に入るのは何Whか
  • 公称容量が6割まで削られる2つの場所
  • 5000/10000/20000/27000mAhで、スマホを何回フル充電できるか
  • 飛行機に持ち込める上限が27000mAhあたりで止まる理由
モバイルバッテリー20000mAhの容量がWh換算で実質50Whまで目減りする図
20000mAhと書かれていても、スマホに入るのは50Wh分です
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20000mAhでスマホに入るのは、約50Wh分です

計算は3行で終わります。

  • 20000mAh × 3.7V = 74Wh(セルが持っている電力量)
  • 74Wh × 90% = 66.6Wh(5Vへ昇圧するときのロス分を差し引き)
  • 66.6Wh × 75% = 約50Wh(スマホ側の充電回路のロス分を差し引き)

20000mAhはセルの電力量に直すと74Whです。この74Whがスタート地点で、そこから2回削られて50Whになります。効率の数字は製品によって前後しますが、合わせて65〜70%というのがよく言われるところです。

ここで大事なのは、公称のmAhとスマホのmAhを直接くらべても答えは出ないということです。iPhoneのバッテリーが3,600mAhだから20000÷3600で5.5回、という計算をしたくなりますが、この割り算は成立しません。

ちゅけ
ちゅけ

自分もずっとmAh同士で割っていました。単位は同じなのに、比べてはいけない数字だったんですよね。

なぜ公称容量の6割しか使えないのか

mAhは電圧を無視した単位だからです

mAhは「何アンペアの電流を何時間流せるか」を表しているだけで、電圧の情報が入っていません。水にたとえると、流れる量だけを書いて水圧を書いていない状態です。だから電圧の違うもの同士を、mAhのまま比べられません。

モバイルバッテリーの中のリチウムセルは3.7V、スマホのバッテリーも同じくらいです。ここだけ見ると比べられそうに思えます。ところがUSBで外に出す瞬間に5Vへ持ち上げられるので、そこで数字の意味が変わります。20000mAhというのは3.7Vのときの話で、5Vで数え直すと14800mAh相当まで落ちます。

削られる場所は昇圧と充電回路の2か所です

1か所目が、いま書いた3.7Vから5Vへの昇圧です。回路を通すぶんの熱が出るので、ここで1割前後が消えます。2か所目がスマホ側で、受け取った5Vをまた3.7Vくらいに落としてセルに流し込みます。ここでもう2割から3割が熱になります。この2か所で捨てられるぶんが、全体の3分の1近くあります。

冬に外で使うともう少し落ちます。リチウムイオン電池は低温だと内部抵抗が上がるので、同じ製品でも取り出せる量が減ります。真夏の車内に置きっぱなしにするのも、劣化を早めるという意味で最悪です。

ちゅけ
ちゅけ

つまり数字が減っているのではなく、最初から違う単位のものを同じ物差しで見ていた、という話でした。

容量別に、スマホを何回フル充電できるか

モバイルバッテリーの容量別にスマホを何回充電できるかを比較したグラフ
同じバッテリーでも、スマホの大きさで1回分くらい変わります

スマホ側の電力量は、小型のもので約13.8Wh(3,600mAh前後)、6.7インチクラスの大画面で約19.4Wh(5,000mAh前後)です。さっきの実効50Whを、この数字で割ったのが上のグラフです。

20000mAhのところを見ると、小型のスマホなら3.6回、大画面のスマホなら2.6回が計算上の上限です。「20000mAhなのに3回で終わった」というのは、故障でも不良品でもなく、そういうものだったわけです。

10000mAhだと1.3回から1.8回。1泊の外出で1回充電できれば十分という人には、これで足ります。5000mAhは1回に届きません。0.6回から0.9回なので、残量30%からのつなぎ、という位置づけになります。

手持ちの9600mAhで答え合わせしてみました

上で紹介したとおり、自分が普段持ち歩いているのはAnker Prime Power Bankの9600mAhです。20000mAhではなく、半分以下の容量でした。同じ式に入れてみます。

  • 9600mAh × 3.7V = 約35.5Wh
  • 35.5Wh × 90% × 75% = 約24Wh

スマホはiPhone 15 Pro Maxで、6.7インチの大画面クラスです。約19.4Whで割ると約1.2回。1回目は満タンになって、2回目は2割ほどで止まる計算になります。

普段の「2回目は満タンにならないけど、使える程度には入る」という感覚と、だいたい合っていました。

ちゅけ
ちゅけ

9600mAhで1回とちょっと。日帰りならこれで足りている、というのが実感です。

使いながら充電すると、計算より減ります

ここまでの回数は、スマホを置いたまま充電したときの上限です。動画や地図アプリを開いたままつなぐと、入ってきた電気の一部がその場で使われます。スマホの残量はなかなか増えないのに、バッテリー側だけ減っていくのはこのためです。

MagSafeのようなワイヤレス充電でも回数は減ります。ケーブルでつなぐより、熱として逃げる分が多いからです。どのくらい減るかは製品や置き方で変わるので、ここは数字を出していません。

自分のスマホが何Whかを調べる

Androidは仕様表にmAhが載っていることが多いです。mAh × 3.7 ÷ 1000でWhになります。5000mAhなら約18.5Whです。

iPhoneは、さっき書いたとおり公式の数字がありません。ネットで見かけるiPhoneのmAhは、Appleが出した数字ではありません。計算が合わなかったときは、そこを疑ってみてください。

では何mAhを買えばいいのか

用途で決めます。回数から逆算すると、そんなに悩む必要はありませんでした。

10000mAhで足りる人
  • 日帰りの外出で、夕方に1回つなげれば十分な人
  • カバンではなくポケットに入れて持ち歩きたい人。10000mAhでだいたい200g前後で、それ以上になると服が引っ張られます
20000mAhでも足りない人
  • スマホ以外にイヤホン・スマートウォッチ・カメラも充電する人
  • テント泊や車中泊で、電源のない場所に2泊以上する人
  • ノートパソコンを充電したい人(本体だけで40Wh以上あるので、1回でほぼ使い切ります)

3つ目に当てはまるなら、モバイルバッテリーではなくポータブル電源の領域です。20000mAhは74Wh、ポータブル電源の入門機はだいたい200Whからなので、そもそも桁が違います。

ちゅけ
ちゅけ

大は小を兼ねると思って一番大きいのを選びがちですが、重さと持ち込み制限がついてくるので、そこは分けて考えた方がよさそうです。

27000mAhより上を選ぶと、飛行機に持ち込めなくなります

容量を上げていくと、途中で法律側の壁にぶつかります。100Whを超えると、航空会社の承認なしには機内へ持ち込めません。160Whを超えるものは、承認を取っても持ち込めません。預け入れ荷物に入れるのは容量にかかわらず禁止です。

この100Whをさっきの式に当てはめると、100 ÷ 3.7 = 約27000mAhになります。27000mAhでちょうど99.9Wh、ぎりぎり制限の内側です。市販のモバイルバッテリーが26800mAhや27000mAhで打ち止めになっていて、その上がいきなり無くなるのは、この線があるからでした。

自分の手持ちが何Whなのかは、本体の裏に小さく印字されています。mAhだけ大きく書いてWhが読めないほど小さい製品もありますが、必ずどこかに書いてあります。空港で聞かれるのはWhの方です。

2026年4月24日から、機内では充電できなくなりました

この記事を書いたあとで、国土交通省のルールが変わりました。2026年4月24日から適用されているのは、次の2つです。

  • 機内に持ち込めるモバイルバッテリーは2個まで(160Wh以下に限る)
  • 機内でモバイルバッテリーに充電しない。モバイルバッテリーからスマホなどにも充電しない

この記事に関係が深いのは2つ目です。飛行機に乗っている間は、何回分あっても使えません。移動中の電池が心配なら、搭乗前にスマホを満タンにしておくしかないです。

置き場所も変わっています。2025年7月8日から、座席の上の収納棚には入れず、手元に置くよう国内の航空会社で案内されています。預け入れ荷物に入れられないのは前と同じです。国際線は航空会社ごとに上乗せのルールがあるので、乗る便の案内を見てください。

まとめ

20000mAhでスマホ3回というのは、削られた後の正しい姿でした。mAhを信じて5回分だと思っていた自分の計算が、単純に間違っていただけです。

選ぶときはmAhではなく、本体に小さく書かれたWhを見てください。Whが分かれば、スマホの電力量で割るだけで回数が出ます。目安としては、1泊なら37Wh(10000mAh)、2泊や複数台なら74Wh(20000mAh)、それ以上ほしくなったらポータブル電源へ、という切り分けになります。

次に買い替えるときは、容量の数字より先に裏面のWh表記を見ることにします。

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