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【鶏むね412g必要!?】プロテインはいらないのか|筋トレの必要量を計算したら食事だけでは厳しかった

プロテインはいらないのかを考えるアイキャッチ画像
claude
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ジムに通っていると、どこかのタイミングで「プロテインって本当に必要なのか」という疑問にぶつかります。でも自分は、家に帰ればふつうにごはんを食べている。それで足りないのか、という話です。

検索すると答えは真っ二つに割れます。「食事だけで足りる」と書いてある記事と、「絶対に必要」と書いてある記事が同じ画面に並ぶ。しかも後者はだいたいプロテインを売っている会社が書いています。読んでも判断がつきません。

なので、意見はいったん置いて数字だけで整理しました。厚生労働省の食事摂取基準と、文部科学省の食品成分データベースを突き合わせて、自分の体重だと1日何グラム必要で、それは食品に換算すると何グラムなのかを計算しています。結論から言うと、必要量そのものは食品だけでも満たせます。ただし、そのときに一緒に飲み込むカロリーが問題になります。

この記事でわかること
  • 厚生労働省の推奨量と、筋トレをする人の目安がまったく別の数字だということ
  • 体重別に計算した、1日に必要なたんぱく質量(体重×1.6g)
  • その量を鶏むね肉だけで賄うと、1日に何グラム食べることになるのか
  • 同じ「たんぱく質20g」を摂るのに、食品ごとに何kcal払うことになるのか
  • プロテインが「いらない人」と「あったほうが早い人」の分かれ目
  • 飲むタイミングより先に決めるべきこと、摂りすぎのラインはどこか
体重別に計算した1日に必要なたんぱく質量と鶏むね肉の換算量のグラフ
厚労省の推奨量65gは、筋トレをする人にとっては出発点ですらない
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結論:プロテインは必須ではない。ただし「体重×1.6g」を狙うなら現実的な近道になる

先に答えを書きます。プロテインは薬でもサプリの必須枠でもないので、食事から必要量が取れているなら飲まなくて構いません。鶏むね肉、卵、納豆、魚、豆腐で組み立てれば、数字の上ではきちんと届きます。

問題は、その「届く食事」を毎日組めるかどうかです。たんぱく質だけを都合よく増やすことは、ふつうの食事ではできません。あとで見るように、卵や牛乳で埋めようとすると、たんぱく質より先に脂質とカロリーが上限に当たります。

プロテインは、この「カロリーを増やさずにたんぱく質だけ足す」という一点に対しての道具です。そう考えると、必要かどうかは体質や信念の話ではなく、いまの食事にどれだけ余白があるかの話になります。

まず「必要量」を2種類に分けて考える

この話がこじれる最大の原因は、世の中に「1日に必要なたんぱく質」という言葉で呼ばれている数字が2つあることです。しかもその2つは、目的も、決め方も、金額にして倍近く違います。

厚生労働省の推奨量は「不足しないための下限」

ひとつめは公的な基準です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18〜64歳男性のたんぱく質推奨量は1日65g、女性は50gとされています。健康診断の指導などで出てくるのはこちらの数字です。

ただしこれは「これだけ摂れば筋肉がつく量」ではありません。ほとんどの人が不足しないラインとして設定された下限です。運動習慣のない人が健康を保つための数字であって、週3回ジムに通う人向けにチューニングされたものではない、という前提を先に押さえる必要があります。

筋トレをするなら、目安は体重×1.6g

ふたつめがトレーニングをする人向けの目安です。1,863人を対象にした2018年のメタ分析(Morton ら)では、レジスタンストレーニングと組み合わせたとき、除脂肪体重の増加が頭打ちになる点は体重1kgあたり1.62g/日でした。信頼区間は1.03〜2.20g/kgなので、実務的には1.6〜2.0g/kgのあいだで運用するのが妥当とされています。

つまり、推奨量の65gを満たしていても、筋トレをする人の目安にはまったく届いていません。体重60kgなら96g、70kgなら112gです。65gという数字は、筋トレをする人にとっては出発点ですらありません。

ちゅけ
ちゅけ

ここを混同したまま「たんぱく質は足りている」と言っている記事がけっこうあります。どっちの数字の話をしているのかで、結論が正反対になるんですよね。

体重60kgなら1日96g。鶏むねに換算すると412gだった

数字だけだとピンと来ないので、食品に置き換えます。鶏むね肉(皮なし・生)は100gあたりたんぱく質23.3gです。ここから逆算すると、体重60kgの人が必要な96gを鶏むねだけで賄うなら1日412g、70kgなら481g、80kgなら549gになります

鶏むね1枚がだいたい250〜300gなので、60kgの人で毎日1.5枚、80kgの人なら2枚弱です。これを7日続ける前提だと、想像したよりずっと重い量だと分かると思います。もちろん実際には他の食品からも入ってくるので鶏むねだけで埋める必要はありませんが、「意識してたんぱく質を摂っているつもり」の量では、たいてい半分にも届いていません。

僕自身、週3回のジム通いを始めた当初はここをまったく数えていませんでした。通うこと自体を続けるので精一杯だったからです。そのあたりの話はジムが続かない理由は、最初の1ヶ月に見返りがないからに書きました。食事の話まで手が回るようになったのは、通うのが習慣になってからです。

ちゅけ
ちゅけ

最初の1ヶ月は「行けたかどうか」だけで手一杯でした。食事まで一気に変えようとすると、たいてい両方とも崩れます。

同じ「たんぱく質20g」でも、支払うカロリーは4倍違う

ここからが本題です。たんぱく質は単体では存在していないので、何かを食べれば必ずカロリーと脂質がついてきます。同じ20gを摂るのに、食品ごとにいくら「払う」ことになるのかを計算しました。

たんぱく質20gを摂るのにかかるカロリーと脂質を食品別に比較したグラフ
同じ20gでも、鶏むねと牛乳では280kcalの差がつく

鶏むねとプロテインは、ほぼ同じ効率で20gが手に入る

グラフの左2本を見てください。鶏むね肉なら86gで90kcal、ホエイプロテインなら1食29gで114kcal。ほぼ同じコストで同じ20gが手に入ります。脂質もそれぞれ1.6gと2.1gで、ほとんど誤差の範囲です。

よく「プロテインは太る」と言われますが、少なくともこの比較ではそうなりません。プロテインで太るとすれば、それは食事に上乗せして飲んでいるからで、粉そのものの効率が悪いわけではないということです。

卵と牛乳で埋めようとすると、脂質が先に上限へ来る

問題は右側です。卵で20gを摂ろうとすると3.3個で233kcal・脂質16.7g。牛乳にいたっては約600ml必要で、370kcal・脂質23.0gがついてきます。同じ20gなのに、鶏むねの4倍のカロリーを払っていることになります。

納豆も2.7パックで223kcal・脂質12.1gです。どれも体に悪い食品ではありませんが、「たんぱく質を増やすための主力」として使うと、カロリーのほうが先に膨らみます。減量期にたんぱく質を増やそうとして失敗する人は、だいたいここでつまずいています。

ちゅけ
ちゅけ

卵を1日5個食べています、みたいな話を見かけますが、脂質だけで25gを超えます。目的が増量ならいいのですが、絞りたい時期にやると噛み合いません。

それでも「プロテインはいらない」と言える人はいる

ここまでの数字を踏まえると、必要かどうかの分かれ目はかなりはっきりします。判断材料は、いまの食事に「カロリーの余白」があるかどうかと、毎日たんぱく質源を用意できるかどうかの2つです。

プロテインがなくても足りやすい人
  • 1日3食を自炊していて、毎食に肉・魚・卵・大豆のどれかが入っている人
  • 増量期で、カロリーをむしろ足したい時期の人
  • 体重が軽めで、必要量が80g前後に収まる人
  • 鶏むねや魚を調理するのが苦にならない人
食事だけだと崩れやすい人
  • 昼が外食やコンビニで、たんぱく質の量を管理しづらい人
  • 減量中で、カロリーを増やさずにたんぱく質だけ足したい人
  • 体重が重く、必要量が110gを超える人
  • トレーニング後にすぐ食事が用意できない人
  • 自炊のハードルが高く、続けると赤字になりそうな人

僕の場合、フルリモートで働いているので昼食の自由度は高いほうです。それでも、仕事が立て込んだ日の昼が「冷蔵庫にあるもので済ませる」になるのは避けられません。毎日きれいに食事を組むことを目指すより、崩れた日の穴埋め手段をひとつ持っておく、という発想のほうが現実的だと思っています。

飲むタイミングより、1日の合計と分け方

プロテインの話になると必ず出てくるのが「トレーニング後30分のゴールデンタイム」です。ただ、近年の研究では、この時間枠を厳密に守ることの効果は当初考えられていたほど大きくないという整理が主流になっています。

優先順位は、1日の合計量が先で、その次が1日の中での分配。タイミングはいちばん最後。1回でまとめて100g飲むより、1食あたり20〜40gずつ3〜4回に分けたほうが、体は無駄なく使えます。トレーニング直後にこだわるより、朝食のたんぱく質がゼロになっていないかを確認するほうが先です。

日本の朝食は、ごはんと味噌汁だけだとたんぱく質が10gに届きません。ここに卵1個か納豆1パックを足すだけで、1日の合計はかなり動きます。

摂りすぎのラインはどこから始まるか

逆側も見ておきます。たんぱく質は多ければ多いほど良いわけではありません。まずカロリーの問題があって、必要量を超えた分は単純に余ります。粉であっても1食80〜120kcalはあるので、何杯も足せば普通に体重が増えます。

健康面については、腎機能に問題のない人が2g/kg程度まで摂った場合に明確な害が出たという報告は多くありません。ただし腎臓に持病がある人や、指摘を受けたことがある人は、自己判断で高たんぱくにしないでください。ここは体感で判断していい領域ではありません。

もうひとつ地味に効くのが、食物繊維とビタミンが痩せることです。たんぱく質を増やそうとして肉と粉ばかりになると、野菜が減ります。数字だけを追うと、こういう抜け方をします。

まとめ:買うかどうかより、まず自分の必要量を出す

結局のところ、「プロテインはいらない」も「絶対必要」も、前提の食事を書かずに言っているから噛み合わないだけでした。順番としては、①体重×1.6gで自分の必要量を出す、②いまの食事で何グラム摂れているか3日ぶん数える、③足りない差分をどう埋めるのがいちばん安いか決める、です。

その差分が20〜40gなら、鶏むねを1枚増やすかプロテインを1杯足すかは、ほぼ同じコストの選択肢になります。逆に、自炊が回っていて差分がほとんどないなら、買う理由はありません。

最後にひとつだけ。たんぱく質の計算は、ジム通いが習慣になってからでも遅くありません。始めたばかりの時期に食事まで一気に変えると、両方とも続かなくなります。そのあたりの順番についてはジムが続かない理由は、最初の1ヶ月に見返りがないからと、きっかけになった『筋トレが最強のソリューションである』の書評にも書いています。

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