【孤独じゃなかった】フルリモートがきついと感じる5つの理由と続けられた対処法

「フルリモート きつい」で検索すると、転職エージェントのメディア記事がずらりと並ぶ。孤独、運動不足、オンオフの切り替え、評価されにくい。どれも間違ってはいないけれど、読んでも「で、結局どうなの?」という気持ちが残る。
僕は未経験からエンジニアに転職して、二年でフルリモートで働ける環境を手に入れた。その経緯はエンジニア未経験から二年、年収800万、フルリモ環境を勝ち取るまでに書いたとおりだ。手に入れる前は「通勤がないだけで人生変わる」くらいに思っていたし、実際その部分は期待どおりだった。
ただ、働いてみて分かったのは、きつさの正体は「孤独」ではなかったということだ。この記事では、よくある理由を並べるのではなく、フルリモートのきつさがどういう構造から生まれているのかを書く。
- フルリモートがきついと言われる本当の理由
- 出社のときはオフィスが肩代わりしてくれていたもの
- 通勤時間がゼロになると戻ってくる時間の具体的な量
- フルリモートに向いている人・向いていない人
- きついと感じたときに効いた対処法

結論:フルリモートがきついのは、孤独ではなく「聞けない」から
先に結論から書く。フルリモートのきつさの大半は、「30秒で終わる質問ができない」ことから生まれている。孤独も運動不足もオンオフの切り替えも、元をたどるとここに行き着く。
オフィスにいれば、隣の席の人に「これってどっちでしたっけ」と聞けば30秒で終わる。相手の表情を見て「今は忙しそうだからあとにしよう」という判断も、無意識にできていた。フルリモートだとその判断材料が全部消える。結果、「聞くほどでもないかな」と思って自分で30分調べてしまう。これが積み重なると、じわじわ効いてくる。

孤独がつらいというより、「聞いていいのか分からない」時間の居心地が悪いんですよね。
フルリモートがきついと感じる5つの理由
① 30秒で終わる質問が、30分になる
チャットで質問を書くには、前提から説明しないといけない。「あの画面の、あの項目の」で通じないので、URLを貼り、スクリーンショットを撮り、自分が何を試したかを書く。書き終わる頃には、たいてい自分で答えにたどり着いている。それはそれで悪くないのだが、本来なら一言で済んだ確認に、毎回この手間がかかる。
② 評価されている実感が消える
出社していれば、遅くまで残っていること、難しい案件を巻き取ったこと、会議でうまく捌いたことが、誰かの目に自然に入る。フルリモートではそれが一切ない。アウトプットだけが評価対象になるので、「頑張っている」ではなく「終わらせた」でしか評価されない。これは公平だが、慣れるまでは不安になる。
③ 終業のスイッチを、自分でしか押せない
通勤は面倒だが、切り替え装置としてはよくできている。駅までの道と電車の時間が、勝手に頭を仕事モードから戻してくれていた。それが無くなると、夕食のあとに「ちょっとだけ」とPCを開いて、気づけば22時ということが起きる。フルリモートで働きすぎる人は、自分からブラックな働き方に陥ってしまう。僕もこっちのタチで、キリが悪いとどうしてもつい残業してしまう癖がついてしまっている。
④ 一日の歩数が数百歩で終わる
意識して外に出ないと、家の中の移動だけで一日が終わる。肩と腰にくるのは机と椅子のせいもあるが、根本は単純に動いていないからだ。通勤という「強制的な運動」を失った分は、自分で予定に入れて取り戻すしかない。
⑤ 一番きついのは、入社してすぐの時期
これは一般論として書くが、フルリモートで一番きついのは慣れたあとではなく、新しい職場に入った直後だと思う。誰がどの領域に詳しいのか、何を誰に聞けばいいのかが分からない状態で、その「聞き先マップ」を雑談から拾えない。同じフルリモートでも、慣れた頃と入社1ヶ月目ではきつさがまったく違う。

「フルリモートがきつい」という声の何割かは、実は「入ったばかりできつい」なんじゃないかと思っています。
それでもフルリモートを手放す気にならない理由
ここまで書いておいてなんだが、僕は今の働き方を出社に戻したいとは思っていない。理由はシンプルで、戻ってくる時間の量が、上に挙げた面倒くささを全部足しても釣り合わないからだ。

月20日勤務・12ヶ月で単純計算すると、僕の場合は片道45分の通勤は、1年で360時間。丸15日分がまるごと消えている計算になる。しかもこの時間は、満員電車という一番消耗する形で使われる。それがゼロになるインパクトは、想像よりずっと大きい。
前職では通勤と人間関係の両方に消耗していて、それがどれくらいしんどかったかは転職失敗して地獄だった2年半について話すに書いた。あの二年半と比べると、フルリモートの「きつさ」は、自分でコントロールできる種類のきつさだ。ここが決定的に違う。

人間関係で消耗するきつさと、自己管理が必要なきつさは、まったく別物です。
フルリモートに向いている人・向いていない人
求人票に「フルリモート可」と書いてあるかどうかより、自分がこの働き方に耐えられるかを先に考えたほうがいい。
きついと感じたときに効いた対処法
大がかりなことは必要なかった。効いたのは、どれも地味なものばかりだ。
- 質問のハードルを下げる:まとまってから聞くのをやめて、「調べ中ですが、ここで詰まっています」と途中経過をチャットですぐに投げる
- 作業場所を分ける:ベッドやソファで仕事をしない。机に座ったら仕事、離れたら終わり、と場所で区切る
- 終業時刻を先に決める:「終わったら終わり」にしない。時間で切って、残りは翌日に回す
- 予定に散歩を入れる:気が向いたら歩く、では絶対に歩かないのでカレンダーに入れてしまう
- 週に一度は外で働く:カフェでもコワーキングでもいい。人の気配がある場所に出るだけで戻る
どれも「きつさをゼロにする方法」ではない。フルリモートのきつさは消すものではなく、扱えるサイズまで下げるものだと思っている。
まとめ
フルリモートがきついと言われる理由は、孤独でも運動不足でもなく、オフィスが肩代わりしてくれていたことが全部自分の担当になる、という一点に集約される。質問する場も、切り替えのタイミングも、体を動かす機会も、自分で用意しないと発生しない。
逆に言えば、そこさえ自分で設計できれば、フルリモートは年間300時間以上を返してくれる働き方だ。「やめとけ」という声は、この設計を誰も教えてくれないまま放り込まれた人の実感なのだと思う。
フルリモートで働ける環境をどうやって手に入れたかはエンジニア未経験から二年、年収800万、フルリモ環境を勝ち取るまでに、その前にやらかした転職の失敗については転職失敗して地獄だった2年半について話すに書いているので、働き方そのものを変えたいと思っている人はあわせて読んでみてほしい。








