【たった一人を分析】実践　顧客起点マーケティング【感想・まとめ】

西口 一希

大阪大学経済学部卒業後、P＆G入社。マーケティング本部に所属、ブランドマネージャー、マーケティングディレクターを歴任。2006年ロート製薬　執行役員マーケティング本部長。スキンケア商品の肌ラボを日本一の化粧水に育成、男性用ボディケアブランドのデ・オウを開発、発売1年で男性用全身洗浄料市場でNo.1に育成するなど、スキンケア、医薬品、目薬など60以上のブランドを担当。2015年ロクシタンジャポン代表取締役。2016年にロクシタングループ過去最高利益達成に貢献し、アジア人初のグローバル エグゼクティブ コミッティ メンバーに選出、その後ロクシタン社外取締役 戦略顧問。2017年にスマートニュースへ日本および米国のマーケティング担当 執行役員として参画、累計ダウンロード数5,000万、月間使用者数2,000万人を達成、2019年8月に、企業評価金額が10億ドル（約1,000億）を超える国内3社目のユニコーン企業まで急成長。2019年9月スマートニュースを退社しマーケティング戦略顧問に就任、Strategy Partnersの代表取締役およびM-Force株式会社を共同創業者としてビジネスコンサルタント、投資活動に従事。

引用元：Amazon

本書では、顧客起点マーケティング＝調査対象を1人に絞り込んでアイディアを深掘りしていくマーケティング手法について学ぶことができました。

マーケティングと言えば、何千人という人に対してアンケートを行い、自社のブランドがどのような状況にあるのかを確かめ、それに適したマーケティング手法を考えると言うイメージでした。本書でももちろんアンケートを用いてブランドについての調査はするのですが本書での独自性としては、 顧客の1人を絞り込んで、その顧客を喜ばせると言う視点からアイディアを生み出す方法を提案している点だと感じました。

1人に絞り込んでアイディアを生み出すとニッチ化してしまうと言う感覚がありますが逆に考えれば徹底的に1人に絞り込むからこそ強い独自性と便益、すなわち強いプロダクトアイディアを踏み出せるのであり、絞り込まないから平均的な提案になってしまうと言う結果になると著者は述べています。

私自身も、マーケティングをする際には、よく対象を絞り込んで、特定の人に刺さるようにする製品の方が良いと言う内容を本で見かけることがありました。 本書で述べられている意見は、対象を絞り込むを極限までやった形だと思います。なので非常に強いプロダクトアイディアが生み出されると言う意見にも納得することができました。