技術書

【銀の弾などない】人月の神話【要約・感想・まとめ】

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

書籍情報

メルカリでの検索結果はこちら

書名:人月の神話

著者名:フレデリック・P・ブルックス,Jr.

出版社:丸善出版

著者について

フレデリック・P・ブルックス,Jr.

現在,Frederick P. Brooks, Jr. は,ノースカロライナ大学チャペルヒル校でコンピュータサイエンスの「ケナン教授」を務めている。彼は「IBMのSystem/360 の父」としてよく知られている。その開発マネージャーとして,また後には設計段階のOperating System/360 ソフトウェアプロジェクトのマネージャーの職務についていたからだ。この功績により彼自身およびBob Evans とErich Bloch は1985 年にアメリカ国家技術賞を受賞している。それ以前,彼はIBM のStretch およびHarvest コンピュータの設計者だった。チャペルヒル校で,Brooks 博士はコンピュータサイエンス学科を創設し,1964 年から1984 までその学科主任を務めた。また,全米科学委員会と国防科学委員会のメンバーでもある。彼の現在の教育と研究の対象分野は,コンピュータアーキテクチャ,インタラクティブコンピュータグラフィックス,そして仮想環境である。

引用元:Amazon

書評

どんな本?

ソフトウェア開発者で読書をしている人ならば、知らない人はいない
銀の弾などない」と言う格言の元ネタとなった本。

本書の内容を一言でまとめると大規模ソフトウェア開発「あるある」

IBMの大型コンピューターとオペレーティングシステムの開発チームを引き出経験のある著者がプロジェクトで発生した問題点について分析することで、ソフトウェア開発についての持論を展開しているエッセイ集。

御社の諸般は1975年であるが、2014年に改定され新刊が出ている。 初版出版から、およそこ50年が経つ現在でも大規模開発プロジェクトにおけるソフトウェア工学の古典として読み次がれている半世紀にわたる超ロングセラー

50年間変わらないソフトウェア開発に関する法則を教えてくれる

読んだきっかけ

ちゅけ

両学長おすすめ書籍に載っていた本

人月の考え方や「銀の弾などない」の元ネタが知りたいと思ったこと、多くの人がプログラミングの古典における名著であると言っていたことがきっかけです!

要約

  1. 「銀の弾などない」の意味ソフトウェア開発を簡易かつ効率的にする絶対的な方法は存在しないという意味である。 その原因は、ソフトウェア開発の難しさに由来する。
  2. ソフトウェア開発の「難しさ」は「本質的な難しさ」と「偶有的な難しさ」に分けられる。 本質的な難しさの中には、複雑性(プログラムは複雑)、同調性(処理の振る舞い、型などを合わせないといけない)、可変性(変更が当たり前である)、不可視性(物体として目に見えないため直感的に理解できない)が含まれる。偶有的難しさとはソフトウェア開発以外にも起こりうる難しさのことである。
  3. 人月とは人の頭数と月数が1:1の関係であるとしているがそのような考えは神話に過ぎない。10人月=10人×1ヶ月または1人×10ヶ月であるがコミュニケーションコストや習熟などを加味するとこれらが等価であることは絶対にない。
  4. 進捗が遅れているプロジェクトに対し要員追加をするとさらに遅れる。理由は新規メンバーへの教育やコミュニケーションコストが増えるためである。=ブルックスの法則

良かった点・悪かった点

  • 50年以上変わらないソフトウェア開発の原則を学べる
  • 改訂時点での状況をフォローしている
  • 記載内容が古すぎてパッとしない記述が多い。例えば計算機を数時間動かすだけで何千万が必要であったり、そもそも計算機ってなんだとなったりIBMの過去のシステムやらOSやらは現代人にとっては全く普及していないので調べながら読む必要がある。
  • あくまでエッセイなので、 生ごとに明確に意見が論じられているわけではない。
    なので、著者が何を言わんとしているか、察する理解力が必要。読書初心者には難しい。

感想・まとめ

本社では50年以上続くソフトウェア開発における法則を学ぶことができました。

本書のタイトルとなっている人月の神話とは、人と1ヵ月という単位を1対1とする見方が誤っているという主張でした。また遅れているプロジェクトに対して、さらに人員を追加するとさらにプロジェクトが遅れると言うことも述べられていました。

いずれの法則も自分自身が開発者としてプロジェクトに関わる中でまさにその通りだと思いました。本書が50年以上前に書かれていると知って驚きを隠すことができませんでした。50年以上も続いている法則であれば今後も続く可能性が高いと私は考えています。

ですので記載されている内容で、現在でも通じる内容に関しては法則を意識しながら行動していくことを心がけていきます。

「銀の弾などない」はあまりにも有名な格言ですが、本を読むことによってなぜそのように考えるのか著者の意見を取り入れることができました。たとえ1000人を投入したとしても、プロジェクトをすぐに終わらせることはできません。同様にどんなに素晴らしい技術が開発されたとしてもその技術だけで問題を解決をする事はできないと言う主張でした。

私自身も単一の司法や技術のみでソフトウェア開発を圧倒的に簡単にするということはできないと考えています。

本書は書かれたのが古いと言うのもあって、使われている用語が特徴的であったり、システムに関する話が現代と全く異なるので、理解するのが少々難しいです。 価格も3000円と高く読書初心者の人にはお勧めしません。まとめ記事などを読んで学習することをお勧めします。

こんな人におすすめ!

  • ソフトウェア開発に携わる人
  • プロジェクトマネージャーを講座している人
  • 「銀の弾などない」の元ネタに触れたい人

総評

個人的評価

ちゅけ

50年以上続く大規模ソフトウェア開発あるあるを紹介してくれる本

50年以上続く法則と言うのはなかなかありませんが本書はその法則を言い当てています。

流石に記載されている内容に古さが感じられる部分も多々ありますがそれでも現代でも50年前の法則が通じているのは驚きを隠せません。

気になったらぜひ読んでみてね😆