書評

【ハブスポット】スタートアップ・バブル【要約・感想・まとめ】

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書籍情報

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書名:スタートアップ・バブル-愚かな投資家と幼稚な起業家-

著者名:ダン・ライオンズ

出版社:講談社

著者について

ダン・ライオンズ

かつては『ニューズウィーク』誌のテクノロジー・エディター、『フォーブス』誌のテクノロジー記者を務める。彼のブログ「スティーブ・ジョブズの秘密の日記」は、ジョブズになりすましてシリコンバレーをブラックジョークで斬るという独創性で話題となり、月に150万人の読者を集めた。現在は、ケーブルテレビ局HBOの連続ドラマ『シリコンバレー』の脚本を執筆。『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』、『GQ』誌、『ヴァニティ・フェア』誌、『ワイアード』誌にも寄稿。マサチューセッツ州ウィンチェスター在住。

引用元:PRESIDENT online

書評

どんな本?

もと新聞社のジャーナリストである著者が2004年から半年間ハブスポットに入社してから退社するまでの日々を描いたドキュメンタリー。

年配の従業員がITスタートアップ企業でどのように扱われるのか実態をジャーナリストの特性を活かしてコミカルに経験談を語る。また、実態の伴わないベンチャー企業内での取り組みやベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から2兆円規模の莫大な資金を集めるスタートアップ企業の闇に関しても暴いていく。

読んだきっかけ

ちゅけ

エンジニアリングマネージャーの久松剛さんが紹介していた本で
スタートアップの実態について学びたいと思ったことがきっかけです!

要約

  1. ハブスポットでは低賃金で若者を雇うために幼稚な「福利厚生」を多数用意している。例えば「壁いっぱいのキャンディー」や「ビールの出る蛇口」などがオフィスに存在している。
  2. ハブスポットを代表とするITスタートアップ企業は経営が大赤字であっても見た目だけの「革新的な発想」により愚かな投資家たちを惑わせることで多額の資金調達を達成している

良かった点・悪かった点

  • ジャーナリストの特性なのか痛烈な物語を面白おかしく描いているのでコミカルな小説のように読むことができる。
  • 面白いだけでなくITスタートアップ企業の資金調達の手法も学ぶことができる。
  • あくまで50代おじさんの退職日記なのでおじさんの目から見た主観的、感情的な批判がとても多い。

感想・まとめ

本書では50代のジャーナリストがITスタートアップ企業のハブスポットに半年間滞在した時の記録が示されています。

著者は本書の中でITスタートアップ企業は右も左もわからない子供達がやっている幼稚な企業という批判をひたすら繰り返しています。上司が年下なだけで屈辱を強く感じている様子が見受けられます。

ハブスポットではひたすら「やばい」を連呼する若者たちが会社を仕切っており見てられないや、壁いっぱいのキャンディやリンゴ酒の出る蛇口はただの子供騙しなどの批判が多かったです。また、表面上はダイバーシティを重視していると言っていますがほとんどは白人の特定人種で年齢層も20代以外は著者が経験したように年齢差別される傾向があるようです。

著者が50代なので流石に子供っぽいなど主観に囚われた感情的な記述も多々見られるのでそのまま鵜呑みにするのもどうかなと思いましたが、痛烈な体験をドキュメンタリーとして記載しているのでキラキラしているITスタートアップの闇について学ぶことができました。

特に有意義な知識としてはITスタートアップの大半は莫大な赤字を抱えていながらも投資家たちから資金調達を得られる理由は見かけ上の革新的な取り組みによって投資家の目を惑わせることによって成長しているように見せかけ資金を集めているとのことでした。

こんな人におすすめ!

  • アメリカのITスタートアップ企業の実態について知りたい人
  • 資金調達の実態について知りたい人

総評

個人的評価

ちゅけ

ハブスポットの文化、スタートアップ企業の資金調達のいびつさについて教えてくれる本

大半がハブスポット文化への著者によるコミカルを交えた批判ですが、その中でもITスタートアップが行っている資金調達がいかにいびつなのかを教えてくれます。

気になったらぜひ読んでみてね😆