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【例文あり】悪文 伝わる文章の作法【要約・感想・まとめ】

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書籍情報

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書名:悪文-伝わる文章の作法-

著者名:岩淵 悦太郎

出版社:KADOKAWA

著者について

岩淵 悦太郎

福島県白河市出身。京北中学校、旧制静岡高等学校、東京帝国大学文学部を卒業。第一高等学校教授を経て、国立国語研究所の所長を務めた。「岩波国語辞典」(共編)などで知られる。国語学者の岩淵匡は実子。

引用元:wikipedia

書評

どんな本?

原著の第一版は1960年に出版され改訂や再出版を続け現在で60年以上も読まれ続けている、超ロングセラーの読みやすい文章を悪文を対比として出すことで悪文を生み出さない方法を解説している本。本書は2016年に出版されました。

文章構造の作り方や主語、述語、修飾語、敬語正しい使い方などの基本的な使い方 だけでなく誤った慣用句を生み出さない、誤解されるような書き方をしないなど 60年前から伝わる正しい文章の書き方を教えてくれます。

読んだきっかけ

ちゅけ

両学長おすすめ書籍に載っていた本

ブログを書くうえで文章力を高めたいと思ったことがきっかけです!

要約

  1. 悪文とはわかりにくい、誤解される、硬すぎる、意味が伝わらないまたは読者に対し思考錯誤をたどらせる文章のことである
  2. 「文」は長すぎても短すぎてもいけない。14〜18文字程度がベスト
  3. 知ったかぶりや見栄を張るために、自分で作った言葉を使わないこと。 使う場合には定義をしないと読者を惑わせる原因となる。

悪文の例

ここでは本書で紹介されている悪文の例を記載します。

いずれも読みにくかったりわかりにくいです。
本書ではこのような文章をもとにどのように改善すればいいのかが解説されています。

エゴの位置するシテュエイションを破壊する為には、自殺まで辞さなかった潔癖さと、通俗性の中に埋没するのを辞さない時代への忠実さとが実践をなして、それぞれの方向に解体していったところに、大正の近代文学の運命があった。

悪文本文より

意味不明ですね。それぞれの言葉の意味がわからないですし長すぎて何をいっているのか意味がわからないです。笑

私は「日露戦争でバルチック艦隊を発見し、敵艦見ゆとの電報を打った信濃丸」の乗務員です

悪文本文より

この文章を読むとこの発言をした人は「電報を打った当人」であると思ってしまうのですが、実はこの発言をした人は電報を打った当人ではなく「信濃丸に乗り込んでいた人」なのです。かぎ括弧の使い方を誤るだけでこのような誤解が生じてしまいます。

従来、感冒(「かぜ」)の薬物療法は、解熱剤、鎮咳剤など単なる対症療法にとどまって、長い間進歩を見なかったが、最近の研究によって、感冒の症状はすべて過敏状態、すなわちアレルギーによるものであることが明らかにされ、このアレルギー症状を消退するために抗ヒスタミン剤が使用されるようになって、感冒の薬物療法がさらに合理的になりました。

本剤1グラム中には約二億七千万の活性乳酸菌を含み、腸内でさかんに繁殖して各種の病原菌に拮抗し殺菌力を発現します。また、この乳酸菌は多量の乳酸を産生して、腸内の腐敗発酵をふせぐばかりか、さらにビタミンBをも豊富に産生して栄養の助長に奏功します。

悪文本文より

これはある薬の宣伝に使われた薬品の説明の文章ですが、一般の人が理解するには難しすぎる言葉が多用されています。お医者様に紹介するとの文章なら、もしかしたらこちらの方が正確に意味が伝わるのかもしれませんが宣伝の文章であるならば、もっと平易な言葉遣いをするべきだと本書では述べていました。

本書ではこのような悪分の例を多数収録しており、それについてツッコミを入れています。現在の私たちでも明らかに悪文だと判断できるものが多く改善方法についても紹介されているので、同じ轍を踏まないようにはどうしたらいいかを深く理解することができます。

良かった点・悪かった点

  • 60年以上にわたって通じるの悪い文章の法則を学ぶことで、どのような文章が伝わりにくいのかを学ぶことができる。
  • 改定を重ねてきたことで現代でも見ることがある悪文に関しても学ぶことができる。
  • 著者が複数より様々な観点で悪文について解説をしている。
  • 初出版が60年前と言うこともあり、例文の内容や言葉が古い文章が存在する
  • 印象について学ぶ本なので当然ながら文字の数が多い本初心者にはちょっと難しいかも
  • 悪くない文章を書くと言う目的を達成することができるが、良い文章を書くには本書だけだと足りない可能性がある。

感想・まとめ

本書では伝わらない文章である悪文を例として、何が悪いのか、良い文章にするにはどうすればいいのかを解説しています。

タイトルだけを見ると奇をてらった小説のように見えますが、本書はわかりにくい文章を例として挙げることで、良い文章を生み出す方法を解説している本です。
個人的には同じようなタイトルの小説があったら、ぜひとも読んでみたいと思いました笑

個人的にやってしまいがちだと感じたのは、「そうして結合」 と呼ばれる接続語を複数使うことで、長い文章を生み出してしまう悪文でした。 他にも文章を特に意味もなく、倒置法を使ったり、文末の整え方が雑だったりすることなどもやり方なので、文章を書くときには注意したいと思います。

他には文学青年が誤った知識を持ったために書いたと思われる、造語や慣用句の謝りで構成された洒落っ気がある文章を痛烈に批判しているのが面白かったです。 他にも広告で歯切れが良い文章を生み出すためによく行われる極端な省略したり極端な造語などを用いた文章に関してインパクトを与える代わりにかえって消費者を混乱させてしまうとも書かれていました。

日本語は非常に表現力豊かな言語なので少し間違えるだけでも誤解を与えたり意味不明な文章になってしまうので使い方に充分気をつけながら使っていきたいと思いました。

こんな人におすすめ!

  • ライターなど書き物を仕事としている人
  • メールを書くときに悩んでしまう人
  • 他の人に文章でを言いたいのかわからないと言われる人

総評

個人的評価

ちゅけ

人に伝わる文章の作法を悪い文章を例にとって解説している本

悪い例を挙げて説明をしてくれているので、NG集のような形でやってはいけないことを学ぶことができます。

良い文章は書けなくとも最悪の結果を招く事は避けられるので、ぜひライター初心者の方には読んで欲しい本です。

自身も気をつけながらブログを書きます笑

気になったらぜひ読んでみてね😆